2014/7/23 更新
クラシック占星術(古典占星術、伝統的占星術)とは
クラシック占星術とは西暦2014年現在、世界中で広く使われている西洋占星術ではなく、西暦1900年以前に使われていた西洋占星術です。
現在主流となっている西洋占星術は
モダン占星術「Modern Astrology」と呼ばれています
【モダン占星術の特徴】
1.人の心理を中心に占う
2.運勢について占う
3.西暦1900年ごろ、アラン・レオという占星術師が始めた
西暦1900年以前の西洋占星術は現在、モダン占星術と比べる形で、
トラディッショナル占星術「Traditional Astrology」(その他の名称:「古典占星術」,「伝統的占星術」)と呼ばれています。
しかし、呼びにくいので僕は、クラシック占星術と呼ぶことにしました。
今後このサイトでは、トラディッショナル占星術のことをクラシック占星術と呼ぶのでよろしくお願いします。
【クラシック占星術の特徴】
1.タロットのように、物事の成り行きがどうなるかを占う(当たり・外れがはっきりしている)
2.運勢について占う
3.生まれたのは紀元前4000年頃と言われている
僕は元々モダン占星術に出会って西洋占星術にハマりました。
その後、紆余曲折を経て、クラシック占星術に辿りついたのです。
外れることもままありますが、当たる占いはやっぱり楽しいです!
クラシック占星術の特徴を知るためにまず下の表をご覧ください。
命術(運勢) | 卜術(物事の成り行き) |
|
---|---|---|
モダン占星術 | ○ | △ (少しあります) |
タロット | × | ○ |
クラシック占星術 | ○ | ○ |
説明がわかりやすくなるので、タロットを交えて表を作ってみました。
さて、この表の大切なポイントは「命術」と「卜術」です。
占いには命術(めいじゅつ)と卜術(ぼくじゅつ)がある
占いには、運勢を占う命術と、物事の行方をを具体的に占う卜術があります。
(他に手相などの相術もありますが、ここでは解説しません)
どのように異なるのか具体的に見てみましょう。
◆命術:運勢についての占い
例:今年の恋愛運はどうですか?
今年の仕事運はどうですか?
私の全体運はどうですか?
◆卜術:物事の成り行きについての占い
例:彼とつきあえますか?
この仕事は良い仕事ですか?
彼女との関係はもう終わりですか?
この家を買って後悔しませんか?
このように、命術が比較的長期的な運勢を占う一方、卜術は比較的短期的な物事の成り行きを占います。
モダン占星術、タロット、クラシック占星術の違い
次に、命術と卜術を元にしたモダン占星術、タロット、クラシック占星術の違いについて。
【それぞれの占いの違い】
1.モダン占星術は主に「命術」で、運勢を占います。
2.タロットは主に「卜術(ぼくじゅつ)」で、物事の行方を具体的に占います。
3.クラシック占星術は、「命術+卜術」で、運勢も物事の成り行きも占います。
このように、モダン占星術は「命術」を扱い、クラシック占星術は「命術と卜術」を扱います。
今度は、クラシック占星術についてもう少し詳しく見てみましょう。
クラシック占星術、5種類の占い方法
【クラシック占星術、5種類の占い方法】
1.「ホラリー占星術」(卜術)
2.「エレクショナル占星術」(命術)
3.「ネイタル占星術」(命術)
4.「マンデーン占星術」(命術)
5.「イベント占星術」(卜術)
クラシック占星術には、これら5種類の占い方があります。
相談内容によって使い分けているわけですね。
鑑定の時に一番よく使われる方法はホラリーとネイタルです。
エレクショナル、マンデーン、イベントは使う機会がなかなかありません。
また、上に挙げた5つの方法はすべてクラシック占星術ですが、占い方が少しずつ異なります。
次の表は、占い方法と難易度をまとめたものです。
難易度(算数と数学に例えると) | 分野名 | 占う対象 | 同時に読むホロスコープの数 |
---|---|---|---|
足し算 | ホラリー (卜術) | 単純なこと 日常的な疑問 | 1つ |
掛け算 | エレクショナル (良い時期を選ぶ占い) | 例: 仕事を始める日 旅行の日 会社の設立の日など | 2つ~3つ |
分数の四則計算 | ネイタル (命術) | 人の運勢や相性 例: 今の運勢は○○です。 ○月から○○に変わります。 あなたと彼の相性は○○ | 3つ~必要に応じてたくさん |
微積分 | マンデーン (国家の運勢、気象など) | 国王、王室、王家の運勢 国家の運勢 気象、農業 | 3つ~必要に応じてたくさん かなりの数 |
病気:医学知識が必要なので不明 スポーツ:引き算 | イベント (卜術) | 病気の診察 スポーツの勝敗予想 | 1つ |
では、ホラリーから見てみましょう。
1.ホラリー
クラシック占星術の基礎となる占いです。
このホラリーをマスターしてから、他の分野へ進むことになります。
タロットと同じような占いで、具体的な質問を占いたい時に使用します。
例:彼とこれからどうなりますか?
彼から連絡は来ますか?
彼女とつきあえますか?
ホラリーでは、ホロスコープを1枚読むことになります。
1枚で良いので、他の分野に比べれば比較的簡単です。
ただ、ホラリーは占星術を学ぶ人が最初に習うものなので、難しく感じることも多いし、たぶん一番時間がかかると思います。
クラシック占星術の勉強が進めば進むほど、ホラリーの重要性が体に染み込んでくる気がします。
繰返しの質問に弱いことや、仮定の質問を占えないことなどいくつかの弱点も持ちますが、最も信頼できる占い方法です。
もしホラリーを使える場合は、他の方法よりも優先して使います。
2.エレクショナル
クラシック占星術では、ホラリーをマスターした後にエレクショナル(時期選定)を学びます。
何かしら、行動するタイミングを知りたい時に使用します。
例:登記を8月中に行いたいのですが、いつがいいですか?
旅行に行くのは、5/5からと5/23からと、どちらが良いですか?
ホロスコープを1~2枚読むことになります。
少し難度が上がります。
3.ネイタル
ホラリーを学んだ後でエレクショナルを学んだら、ネイタルを学びます。
運勢を知りたい時に使用します。
例:今年の私の恋愛運はどうですか?
今年の私の金運はどうですか?
ホロスコープを3枚以上同時に読むことになります。
ホラリーより多くの恒星が登場したり、ホラリー占星術とは異なる占い方法が登場したりするので、難易度がかなり上がります。
ホラリーとネイタルを組み合わせて占いができるようになると、ほとんどの相談内容に対応できるようになります。
僕はクラシック占星術のネイタルに初めて出会った時も、ホラリーに負けず劣らず驚きました。
いや、ホラリーより驚いたので、口を開けてしばらく固まりました。
なんて便利な道具なんでしょうか!
4.マンデーン
ネイタル(個人の運勢)を学んだ後は、マンデーン(国家の運勢)を学びます。
国家の運勢を知りたい時に使用します。
例:今年の日本の運勢はどうですか?
今年の岐阜県の冬の天候はどうですか?
国王と有力者、国家、連合国家の運勢を占います。
気象学もここに含まれます。
僕も勉強中です。
あまりはかどっていませんが…細々と続けていくつもりです(´_ゝ`)
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【マンデーン占星術】
マンデーン占星術
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5.イベント占星術
ネイタルを学んだ後か、ホラリーを学んだ後に、学ぶ人は学ぶ占星術です。
オプションのような存在かな? 学ばない人も多いでしょう。
イベントの成り行き(病気、勝敗など)を占います。
この「イベント占星術」という名前は、名称が定まっていないようなので、僕が勝手につけてしまいました。
「それでは、Event Chart(イベント・チャート)を読んでみよう」みたいな感じで出てきます。
このサイトでは、”Event Chartを読む占星術”は、”イベント占星術”と呼ぶことにしたいと思います。
イベント占星術は、”病気が良くなるかどうか”、”試合でどちらが勝つか”など、あるイベントの成り行きを占う占星術です。
基本的には、ホラリーで対応できない質問に答えるための占星術です。
(1) ディカンビチャー
イベント占星術で最も有名なものは、病気の診断をする「ディカンビチャー」と呼ばれる占星術です。
これは、病気になってしまった人が「ベットに倒れ込んだ瞬間」のホロスコープを作って、その病気がいつ良くなるのか、もしくは悪くなるのかを診断する占星術です。
例えば、あなたがお医者さん兼占星術師だったとしましょう。
(昔は、お医者さんを兼ねている占星術師が多かったのです)
あなたの元に、毎日患者さんがやってきます。
「先生、喉が痛いんじゃ」
「先生、腰が痛くてね」
「先生、背中に湿疹ができてしまって痒いんです」
こういう患者さんたちを、10分くらいの間隔で次々に診察していかなければなりません。
ところが、ホラリー(占星術師が質問を認識して占おうと決めた瞬間)で診察しようとすると、「患者さんが、みんな同じ病気になってしまう」という大問題があります。
これは、“短時間ではホロスコープの内容がほとんど変わらない”という、ホラリーの特徴に原因があります。
10分間隔でホロスコープを作ってみるとわかるのですが、10分程度の違いでは、ホロスコープはあまり内容が変わりません。
つまり、もしホラリーを使って患者さんの診察をしようとすると、例えば15分以内に診察した人はみんな「心臓が悪い」というように、同じ診断結果になってしまう可能性があるのです。
しかし、ちょっと考えればわかることですが、このようなことは絶対に起こりません。
Q1:「頭が痛い」(2014/5/5 12:00)
Q2:「足首が痛い」(2014/5/5 12:07)
Q3:「歯が痛い」(2014/5/5 12:16)
A:「理由はみんな、心臓です。」
これ、どう見てもおかしいですよね?
常識から判断して、起こるわけがありません。
実は、この「病気の診察」は、ホラリーの扱えない「短期的に繰返しなされる同じ質問」に当てはまってしまうのです。
そして、この問題を解決するための方法が、ディカンビチャーと呼ばれるイベント占星術なのです。
ディカンビチャーはホラリーとは違い、”占星術師が質問を理解して占おうと決めた瞬間”を使用しません。
“患者がベッドに伏せった瞬間”を使用するのです。(本当はもう少し複雑ですが省略します)
なんかすごい適当な気がしますが、とにかくこれで、その人その人にあった診断を下すことができるというわけです。
僕はひょんなきっかけから、たった一度だけこのディカンビチャーを試したことがあります。
難しかったのですが、お医者さんの診断と大体同じで、驚きました。
さすが、歴史ある方法なんだなーと思いました。
しかし、もちろん僕は医学について素人なので、ただの興味で試してみただけです。
それ以降は試そうと思ったこともありません。
昔ディカンビチャーを使用していた占星術師たちは、占星術師である前にそもそもみんなお医者さんでした。
クラシック占星術で有名なウィリアム・リリーは、なんと外科手術までこなすお医者さんだったんですよ!
※当たり前の話ですが、もしあなたがお医者さんでも、ディカンビチャーは使用しないでくださいね!?
日本国内では、診断に占星術を使っているなんてことがわかったら、たぶん医師免許の取り消しと、悪ければ罪に問われかねませんよ!
医師免許を持っていない人は、命がかかっている分野ですから、絶対に使用しないでください(@_@;)
(2) スポーツ占星術
それからもう一つ、「試合の勝敗予想」も、このイベント占星術の守備範囲です。
ジョン・フローリーは「Sports Astrology(スポーツ アストロロジー)」、つまり「スポーツ占星術」と呼んでいます。
このスポーツ占星術は昔からあったようです。
しかし、わかりやすくまとまっていたとは言い難く、ようやくつい最近になってジョン・フローリーが体系的にまとめてくれたばかり、という状況です。
彼も認めている通り、確立された方法ではありません。
彼は本を一冊書いて方法を説明していますが、不確かな部分もあるし、彼の説明自体少しですが矛盾する部分もあり、簡単ではありません。
これから、さらなる研究が期待される占星術です(・∀・)
予想できるスポーツの種類や使用できる試合に制限があるものの、実際に予想して本当に当たってみると、オイオイオイオイちょっと待ってよ占星術ってこんなことまでできるの嘘でしょナニソレ勘弁してよ、という気分に襲われます。
まぁこういうことを書くと、あなたも僕と同じように賭けで大儲けできるのではと思ってしまうのではないでしょうか(;´Д`)
しかし、ジョン・フローリーは「それは難しいよ」と説明しています。
「この占星術を解説している理由は、賭けで儲けるためではなく、占星術の練習に良いと思うからです。
もし儲けたいと考えたとしても、実際にやってみればわかる通り、不確定要素もまだ多く、儲けることは非常に難しいでしょう。
そもそも私は、賭けを楽しいと思ったことは一度もありません。」
そうですね、僕もちょっぴりしか試していませんが、これで儲けることは難しいでしょう。
実際に彼は、あれは当たったけどこれは外れちゃった、というような感じで説明していて、「占星術の練習」というスタイルを貫いています。
やっぱりジョン・フローリーっていいな~(^ω^)
さぁ、ここまで駆け足でクラシック占星術のラインナップを解説してきました。
クラシック占星術って色々ありますね!!\(^o^)/