ホロスコープの読み方:太陽系(天体)

2014/10/1 更新

外側から3番目、太陽系の領域:7天体

太陽系の惑星…どんな惑星があるかご存知でしょうか?
水星、金星、地球があって、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星ですよね。
それから、地球の衛星は月で、太陽系の真ん中にはもちろん太陽がいます。
このうちのいくつかの天体が、ホロスコープの中で3番目の主役として登場します。

ホロスコープの中の太陽系

太陽系は、太陽を中心として、その周囲を惑星が回っている構成ですが、クラシック占星術の中では見かけの構成が変わります。

【ホロスコープの中の太陽系】
1.太陽系が7天体として扱われる
2.まるで天動説のように、地球を中心にすべての天体が回る

1.太陽系が7天体として扱われる

天文学では、太陽系は「太陽+8惑星」で構成されています。
「太陽 + 水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星」という組み合わせです。
(占星術では冥王星も含めて、「太陽+9惑星」として考えるのが一般的です)
しかし、ホロスコープは地球を中心とした図なので、見かけがかなり変わります。
太陽が中心の太陽系を、地球が中心のホロスコープに変えるわけですから、変えるところが出てくるというわけですね。

まず地球はホロスコープの中心にいるので、天体としては扱われないし、ホロスコープに天体として表示されません。
太陽と月は特殊で、それぞれ「恒星」と「地球の衛星」なのですが、主役の天体として扱われます。
土星、木星、火星、金星、水星は、主役の天体になります。
土星より外側を回っている惑星(天王星、海王星、冥王星)は、ホロスコープには表示されますが、主役の天体からは外れます。

理由は後で説明しますが、このように「土星、木星、火星、太陽、金星、水星、月」の7天体が「太陽系の領域」の主役になるのです。
ホロスコープで確認してみましょう。

普通のホロスコープの図

ホロスコープ

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※ホロスコープの中には天王星、海王星、冥王星も表示されています。
ほとんどの占星術ソフトでは、この3天体も表示する設定になっているようです。
しかし、クラシック占星術ではこの3つの天体は「恒星」として扱います。
それから、冥王星は天文学では「準惑星」という扱いになっていますが、クラシック占星術では元々「恒星」の扱いなので、扱い方に変化はありません。

それでは、どうしてこのような扱いになるのでしょうか?
「恒星の領域」でも触れましたが、クラシック占星術には「主役の天体を決めるための原則」があり、「7天体」はその原則に従って選ばれた結果なのです。

【主役の天体の決定方法】
(1).光の強さ(星が明るいかどうか)
(2).黄道に近いかどうか

(1).光の強さ(星が明るいかどうか)

まず、地球から見た”光の強さ(星が明るいかどうか)”が基準になります。
地球から見てキラキラ光っているかどうか、ということです。

そうすると、まず思い浮かぶのが太陽と月。
真夏の太陽は灼熱のギラッギラ!!
お月様の明るさも、言うまでもありません。

土星、木星、火星、金星、水星の5つの惑星も、明るさでは文句なし。
1等星より明るい星ばかりです。
(正確には、水星は太陽に近すぎて観察するのが難しいのですが)
夜空を見上げた時、「明るい星だなー、なんの星かな?」と最初に目に飛び込んでくるような星は、実は土星や木星だったりします。

土星より遠いところを回る天王星、海王星、冥王星は、肉眼ではほとんど見えません。
天王星は6等級の明るさで、天気が良ければ辛うじて見えるくらい。
海王星は8等級の明るさで肉眼では見えず、双眼鏡が必要になります。
冥王星(準惑星なので正確には惑星ではありませんが)は14等級なので、天体望遠鏡が必要です。
この3天体は光が弱いので、主役の天体からは外れます。

(2).黄道に近いかどうか

次に、その天体が黄道(太陽の通り道)に近い場所を通っているかどうかが基準になります。
どんなに明るい天体でも、「太陽の通り道から遠い天体であれば、影響力は弱くなる」と考えるからです。

土星、木星、火星、太陽、金星、水星、月の7天体は全て、黄道にとても近い場所を回っているので、主役の資格十分です。
(黄道は太陽の通り道なので、近いも何もないのですが)

天王星、海王星、冥王星も、黄道の近くを通っています。
(他の天体に比べると、冥王星の軌道は黄道から少しずれていますが、許容範囲のようです)
だからこそ、この3つの天体は「恒星」としては重要になってくるわけです。

2.まるで天動説のように、地球を中心にすべての天体が回る

ホロスコープと天動説の関係については、下のページで解説しています。
占星術は天動説なの?

補足:太陽も他の惑星と同じ扱いなの?

太陽は太陽系の中心に輝く恒星です。
他の天体と違い、いわゆる「惑星」ではありません。
「恒星」は惑星を従え、惑星たちの中心に輝く、「王者」のような存在です。
それなのに、どうして他の惑星と同じような扱いになってしまうのでしょうか?

実は、他の天体と同じように扱われているように見えるだけで、クラシック占星術の中に登場する太陽はそれこそ別格です。
他の惑星とは、扱い方が根本的に異なります。
「とても重要」なんてモノじゃありません、「太陽こそ命」という扱いです。

ホロスコープの中の太陽の重要性は、ホラリーでは実感できませんが、ネイタルに入ると心に突き刺さってきます。
そして、グサグサ刺さってきたところでホロスコープの中の太陽のマークを見ると、「○の中に・」。
「ああ、そうか、太陽は中心なんだ。だからこんなマークになってたのか。」
このナルホド感、ハンパじゃありませんよ!

それから、「天体の影響力は黄道に近いかどうかに左右される」という原則が出てきましたが、この理由にも恐らく、太陽が関わっています。

クラシック占星術では「太陽」は特別な存在で、「偉大なる創造主の一部がこの世界に現れた姿」と考えています。
要は「太陽 = 創造主」ということなので、だからこそ、この創造主に近い場所にいる天体ほど「創造主から力をもらえる」という考え方に繋がっているのではないかと思います。

次が最後です!
地球上の領域:ハウス