占いが当たる理由

2015/1/21 更新

占星術はどうして当たるのでしょうか?
僕は長いこと不思議でした。
つき詰めるとなぜ占いが当たるのかということになるのかもしれませんが、他の占いのことはわからないのでクラシック占星術に限定してお話しします。

「占星術はなぜ当たるのか?」

この疑問は次のように置き換えることができます。

「占星術は何をしているのか?」

占星術が何をしてるのかを知ると、占星術がなぜ当たるのか理解できます。
それでは、占星術はいったい何をしているのでしょうか?

答:占星術は創造主さまの意思を覗き見ている

うーん、しかしこれだけだと意味がわかりませんね。
まず簡単にまとめておきます。

【占星術の想定している世界】
1.初めに創造主さまがいた(今もいるけど)
2.彼が宇宙も地球も人間も何もかも作った
3.宇宙のすべての出来事は彼の意思に従って動いている(すべて、というのは文字通り「全て」です)
4.創造主さまはいつもあなたを見守っている

【人がしたいこと】
もし創造主さまの意思が覗けてしまったら…
1.何がどうなるかわかってしまうんじゃない?
2.何をどうすれば色々変えられるかわかるんじゃない?
まとめ:超便利じゃない?
願望:どうにか彼の意思を知りたい

【占星術はその道具】

それでは、ご説明しましょう。

占星術の想定している世界

占星術には前提となる世界観があります。
宗教観と言い換えてもいいものかもしれません。
この前提となる世界観を知ることなく占星術を始めると、何がなんだかわけのわからないことになります。

1.初めに創造主さまがいた(今もいるけど)

占星術の世界は、創造主さまありきの世界です。
この創造主さまは、キリスト教に出てくるような一神教の神様ではなく、恐らく、世界中で信仰されている「この世界の創造主さま」のことだろうと思います。
「創造主さまによって、宇宙は作られた」という世界観の中で、占星術は動いているのです。

2.彼が宇宙も地球も人間も何もかも作った

創造主さまは宇宙を作り、地球を作り、人を作りました。
それだけでなく、この宇宙に存在する全ての存在を創りました。

3.宇宙のすべての出来事は彼の意思に従って動いている

これは理解するのが難しいところです。
例えば地球に隕石が落ちて恐竜が絶滅したことも、あなたが日本に生まれてきたことも、地球が太陽を中心に公転しているのも、全て彼の意思に基づいているという意味です。

4.創造主さまはいつもあなたを見守っている

これも理解することが難しい思想ですが、とても重要です。

創造主さまの存在や、創造主さまが地球や人間を作ったというのは、まぁ理解できますよね?
宇宙の中の出来事はすべて創造主さまの意思に従う、というのも、まぁ作ったんじゃ仕方ないかー、と。
でも、いくらなんでもこれはおかしい!
およそ70億人もの人間を、一度に全員見ていられるわけがありません!
いくつ目があればそんなことができるのでしょうか??
「こんなのが前提って…占星術、無理あるよ~」と思ったものでした。
しかしこれが、占星術の想定している世界なのです。

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◆補足:太陽は創造主さまの仮の姿
クラシック占星術では、太陽を「偉大なる創造主さまの一部がこの世界に現れた姿」と考えています。
大雑把に言うと、「太陽 = 創造主さま」となります。

なーるほど(゚∀゚)
だからいつも僕たち人間を見守れるんですね!
占星術って意外と太陽信仰なのかも??
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人のしたいこと

ここまでの前提を元に動いている人たちは、こう考えました。

もし創造主さまの意思を知ることができれば…
あれもわかる。これもわかる。あれもこれも変えられる…
創造主さまの意思を、チラッとでもいいから、なんとか見ることはできないだろうか?

占星術は創造主さまの意思を覗き見る道具

それが、占星術なのです。
占星術は、すべてを支配している創造主さまの、”意思”を見ようとしているのです。

「創造主さまは次に何をしようとしているのか?」
「創造主さまはこのテーマについてどのように考えているのか?」
「創造主さまはこのテーマをどのように進めるつもりか?」

例を挙げましょう。
「彼から返事は来ますか?私のこと、どう思っていますか?」

この質問を、本当はこういう意味で占っているのです。
「創造主さまは彼からあなたへ返事をさせようとしているか?」
彼が返事をしてくれるかどうかは、すべて創造主さまの意思にかかっている、という前提があるのです。
創造主さまの意思を通して、彼の気持ちや行動を見ているのです

わかりにくいのでもう少し例を挙げましょう。
・「CD はどこにある?」
→「創造主さまは私とCDを結び付ける意思があるか?」
・「今の仕事と次の仕事はどちらが良いですか?転職した方が良いでしょうか?」
→「創造主さまは、あなたと今の仕事の関係、あなたと次の仕事の関係をどのように考えているのか?」
・「私はお金持ちになれますか?」
→「創造主さまはあなたにたくさんのお金を持たせる意思があるのか?」

このように、創造主さまの意思を覗いている(もしくは創造主さまと対話をしている)からこそ、占星術は当たるのです。

そうすると、次に気になってくるのが”外れる理由”ですね。

占星術はどうして外れるのか?

理由が大きく2つあります。
人の側の理由、創造主さま側の理由です。

人の側の理由

占星術師が占い方を間違えてしまうと、占いは外れます。
代表的な理由が3つあります。

1.占星術師が占い方を間違えた
2.相談する人と、占星術師とのコミュニケーションのすれ違い
3.「当たった」認識の難しさ

1.占星術師が占い方を間違えた

ホラリーは占いで使う要素が多いので、見落としてしまうこともあるでしょう。

2.相談する人と、占星術師とのコミュニケーションのすれ違い

相談する人と占星術師の意思疎通がうまくいかずに外れるケースもよくあります。
例えば、相談する人が「仕事について相談したいんですけど…」という時、その人が本当に仕事について悩んでいるのかどうか、実は曖昧なことがあるのです。
「仕事について…」という内容だったはずなのに、話を伺っていると、
・職場に今度入ってきた新入社員の涼宮くんが気になるんだな…
・仕事の内容ではなく、給料について悩んでいるようだ…
・仕事の同僚から悪口を言われているか気にしているのか…

このように「仕事」と言われていても、実際に悩んでいることは、恋愛についてだったり、お給料のことだったり、もしくは同僚のことであったりします。
本当に悩んでることがうまく特定できない場合、占いは外れてしまいます。
(専門用語を使うと、「質問の焦点を把握できない → 使用するハウスを間違える → 占いが外れる」という流れになっています。)

また、話しているうちに「本当の悩み」がわかればまだ良いのですが、最後まで「自分の本当の悩み」を把握できないことも時々あります。
このような場合、ホラリーのホロスコープに「本当に悩んでいること」が表示されることもありますが表示されないこともあります。
そういう時、ネイタルをチェックしていくと本当の悩みを推測できることもありますが、どうしても手間がかかるし、確実とも言えません。

結局、何が悩みかわからないまま占うと、大抵は違和感を感じながらホロスコープを読むことになってしまい、ピンとこない占い結果に繋がります。
これらの問題を避けるためには、相談を伺う段階で本当の悩みを何とか特定するしかありません。
コミュニケーションって、大切です( ;∀;)

3.「当たった」認識の難しさ

何をもって「当たる」と考えるのか?
これも、人によって個人差があるようです。
ある占いで、僕は当たったんだな、と思っていても、「外れてましたよ」と言われることもあるし、逆に外れてしまった、と思っていても、「当たりましたよ」と大喜びされることもあります。
人の認識は本当に難しいなーと思います。

創造主さまの側の理由

次に創造主さま側の理由です。
人にはどうしようもない原因ですね。

1.いつでも創造主さまの意思を見れるわけではないから
2.すべては創造主さまの意思に従うから

創造主さまの側の理由1:いつでも創造主さまの意思を見れるわけではないから

これは、占星術の弱い立場を表しています。
占星術の立場は、実はそんなにしっかりしたものではありません。
僕たちはホロスコープを通して創造主さまの意思を見ることができますが、見れない時もあったりします。
つまり分析している対象のホロスコープが、そもそも創造主さまの意思を反映していない時があるのです(+o+)

創造主さまの御心は偉大すぎて、人には計り知れないときがあるということでしょうか…
「それでも占星術があるだけマシ!」と、昔の人は考えていたのかもしれません。
とにかく、占星術は万能ではないということです。
でも、次はもっと悲惨ですよ? ハハハ…

創造主さまの側の理由2:すべては創造主さまの意思に従うから

わかりやすく言い換えると、「神様の気が変わったから。

「…はい? (゚Д゚)ノえ? そんなのありなの?」

…ありなんだそうです(T_T)
なんとなんと創造主さまは、僕たちがホロスコープを読んだ時からしばらくして、気が変わることがあるそうです。

「え? 気が変わっちゃうの? それって結果が変わっちゃうってこと? うそでしょ? そんな事言い始めたらもう占星術なんてやってらんなくない??」

ですよねー((+_+))
僕も何度思ったことか。しかし、どうしようもないそうです。占星術師ってホント、切ないな~(´Д⊂ヽ

占星術の使い方:予測よりも現状分析

占星術が外れてしまう、創造主さま側の理由を見てきました。
占星術には致命的な弱点があるということですね。

1.いつでも創造主さまの意思を覗けるわけではない
2.創造主さまは気が変わることがある

つまり、「”予測”には、外れる可能性が常にある」のです。

神様は偉大で気まぐれだそうですからね。
何か対策はないのでしょうか?

「いつでも創造主さまの意思を覗けるわけではない」の方はどうしようもありません。
神は偉大なり…潔く諦めましょう。
しかし、「創造主さまの気が変わるから」については対策が取れます。

要は、「予測をしなければ外れることはない」のだから、「分析に絞って使用すればよい」ということになるのです。
実際に昔の人は、占星術を予測の道具というよりは、主に現状分析の道具として用いていたようです。
そのため、本当は分析の道具として使われることの方が多かったのですが、予測して当たると目立つじゃないですか?
だから今でも、占星術は予測の道具だと思われているのです。
しかし本来、占星術は結果を予測するだけの道具ではありません。
むしろ客観的な分析にこそ、その真価があります。

「上司と最近やりあってしまいまして…この後どうなるでしょうか?」
「上司についてご相談されていますが、それよりもこちらの天体、恐らく職場の同僚の方だと思うのですが、こちらの方との関係が悪くなりそうです。この方との関係が悪くなると、職場の状況がかなり悪くなりそうですから、何とか避けるようにしないといけませんね。上司のお気に入りのようですが、そういう方に心当たりはありませんか?」

こんな具合です。
ただ実際には、「予測するか分析するか」は、「質問によって決まる」と考えてよいでしょう。
質問が予測を求めている場合には予測をするし、分析を求めていれば状況を分析します。
例えば、「注文した車はいつ届きますか?」
この質問の場合、状況を分析してもほとんど意味がありませんよね。
「2ヶ月後に届きそうです」という予測が求められています。

「彼、私のこと好きですか?」
こちらの質問の場合、予測ではなく分析が求められています。
好きかどうか、彼の気持ちを調べましょう。

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◆◇◆ 補足 ◆◇◆
このページでは、”占星術が当たる理由”と”創造主さま”の関係を解説してきました。
この「創造主さま」を、以前僕は、「多神教ではなく一神教の神様だと思います」と書いていました。
しかし、今では少し考え方が変わりました。

この「創造主さま」はたぶん、キリスト教の神様ではなく、宗教に関わらず、たぶん、「この世界の創造主さま」のことを指しているのではないでしょうか。
僕は神道や仏教にどっぷりですが、神道でも仏教でも「この世界の創造主さまの存在」は特に珍しい考え方でもなく、ごく普通の思想のようです。
「多神教だから創造主さまはあり得ない」という考え方がおかしかったようです。
僕は日本の神様にも仏様にも手を合わせつつ、同時に創造主さまにも手を合わせながら、ホラリーを使っています。

◆参考
vol.48 「ローマ人と西洋占星術」