2015/2/18　更新

このページでは、死についての占い方を解説します。
しかし、このページだけ読むとおかしな誤解につながる恐れがあるので、必ず先に、１．死についてのページを読んでおいてください。

生き延びる？

前のページでは、「アスカーが亡くなることが疑いようもないくらい確実な場合」の占い方を説明しました。
ここでは、「対象の人が生き延びるかどうか、わからない場合」の占い方を説明します。
お母さんが癌にかかってしまったけれど、生き延びることができるだろうか…というような状況ですね。

【生き延びる？】
◆ 生き延びる可能性が低い
　・ロード１とロード８のアスペクト
　・ロード１とロード８の間にトランスレーションかコレクション
　・ロード１が太陽にアプローチしてコンジャンクション
容態が非常に悪い時は、条件が２つ追加される
　・ロード１の状態が、少しでも悪化
　・ナチュラル・ルーラーも使用（お父さん、お母さんの時だけ）
◆ 生き延びる可能性が高い
　・強いミューチュアル・レセプション
◆ デフォルト・オプション次第で変わる
　・ロード１とロード８のセパレート

生き延びる可能性が低いとき

まずは、生き延びる可能性が低い場合から見ていきましょう。

ロード１とロード８のアスペクト

最初に、ロード１（アスカーを表す天体）とロード８（死を表す天体）のアスペクトを探します。
ロード１とロード８のアスペクトがあれば、アスカーが亡くなる可能性は高くなります。
天体同士がアプローチしていたら、そのタイミングで亡くなることになるでしょう。
もしアスペクトしなければ、生き延びることになるでしょう。
この時、アスカーのサブ・ルーラーとして月は使いません。
「死ぬかどうかわからない」場合、月は、アスカーを表す天体にはならないのです。
もちろんこれは、アスカーが「自分の死について占う時」にだけ気をつけることです。
他の人について占う時、そもそも月は使用しません。月は、アスカー以外の人のサブ・ルーラーにはならないためです。

ロード１とロード８のアスペクト（トランスレーションかコレクション）

ロード１とロード８が直接アスペクトをしなくても、トランスレーションかコレクションがあれば、死を表します。
アスカー以外の人の死について占う場合、オリジナル・チャートのロード８とターン・チャートのロード８、どちらも死を表す天体になります。
死を表す天体が２つになってしまうので、注意してください。

太陽とアプローチしてコンジャンクション

ロード１が太陽にアプローチしてコンジャンクションする時、このコンジャンクションは死を表します。

ロード１と太陽がコンジャンクションからセパレートしている時は、デフォルト・オプションが重要になります。
もしアスカーがベッドの上でおしゃべりをしている場合、一番悪い状態が過ぎ去っていることを表すので、アスカーは生き延びるでしょう。
逆に、もし容態が非常に悪い場合、このセパレートは死が既に訪れていることを表します。アスカーはほどなく亡くなるでしょう。

容態が非常に悪いとき

対象者が昏睡状態に陥っているような時は、占い方が少し変わります。
いつ亡くなるかもわからないような状況なので、デフォルト・オプションを、「亡くなる可能性がとても高い」に変更し、占い方も「亡くなる可能性が高くなる方法」に変えるのです。

１．「その人を表す天体の状態が少しでも悪化した場合、その変化は死を表す」と考える
２．対象がアスカーのお母さんかお父さんの場合は、ナチュラル・ルーラーも使用する

１．「その人を表す天体の状態が少しでも悪化した場合、その変化は死を表す」と考える

その人の状況がとても悪いため、「その人を表す天体の状態の、少しの悪化も死を表す」と考えて占います。
エッセンシャル・ディグニティが悪くなる、サウス・ノードとコンジャンクションする、悪い天体とアスペクトするなどです。

２．対象がアスカーのお母さんかお父さんの場合は、ナチュラル・ルーラーも使用する

アスカーのお父さんかお母さんについて占う時だけは、特殊なルールがあります。
その人を表す天体として、ハウス・ルーラーだけでなく、ナチュラル・ルーラーも使用するのです。
ただ、繰り返しになりますが、その人の容態が非常に危険な時だけです。
普段、使うことはないので気をつけてください。
対象が両親の時だけしかナチュラル・ルーラーを使わない理由は、よくわかりません。不思議です…。

【ナチュラル・ルーラー】
◆ お父さんを表す天体
　・お昼のチャート：太陽
　・夜のチャート：土星
◆ お母さんを表す天体
　・お昼のチャート：金星
　・夜のチャート：月

お母さんの容態が非常に悪い時のことを考えてみましょう。
例えば、ホロスコープを作った時間がお昼なら、お母さんを表す天体は、ロード１０（ハウス・ルーラー）と金星（ナチュラル・ルーラー）になります。
この時、お母さんの死を表す天体は、ロード８（オリジナル・チャートの死を表す天体）とロード５（ターン・チャートの死を表す天体：１０＋８－１２－１＝５）になります。
そうすると、死を表すアスペクトについては、以下の組み合わせが考えられます。
・ロード１０とロード８
・ロード１０とロード５
・金星とロード８
・金星とロード５

生き延びる可能性が高いとき

次に、生き延びる可能性が高い場合を見ていきましょう。

ロード１とロード８の強いミューチュアル・レセプション（マイ・サインかイグザルテーション）

ロード１とロード８のアスペクトは死を表すと説明しました。
しかし、もしこの時ロード１とロード８がお互いのマイ・サイン、もしくはイグザルテーションのサインにいると、２つの天体がアスペクトをしても、アスカーが生き延びることを表します。
例えば、ロード１が金星、ロード８が木星の場合を考えましょう。下の例は、偶然にも全てセクスタイル（６０度、２つ隣のサイン）のアスペクトです。
　・金星いて座（木星のマイ・サイン）、木星てんびん座（金星のマイ・サイン）
　・金星かに座（木星のイグザルテーション）、木星おうし座（金星のマイ・サイン）
　・金星かに座（木星のイグザルテーション）、木星うお座（金星のイグザルテーション）

ただ、天体は逆行することも多いので、本当に強いミューチュアル・レセプションの状態でアスペクトするのか、必ず確認してください。
例えば、ホロスコープを作った時にお互いが強いミューチュアル・レセプションのサインにいたとしても、アスペクトする時どちらかの天体のサインが変わってしまい、強いミューチュアル・レセプションがない状態でアスペクトするかもしれません。

ここで解説した強いミューチュアル・レセプションのルールが働くのは、死ぬかどうか不確実な時だけです。
前のページで説明した「疑いようもないくらい亡くなることが確実な時」には、ミューチュアル・レセプションの状態でロード１とロード８がアスペクトをしても「生き延びる」わけではなく、「死のタイミング」を表します。

デフォルト・オプション次第で変わる

最後に、亡くなるかどうかの判断がデフォルト・オプションに左右される場合を見ていきましょう。

ロード１とロード８がセパレート

ロード１（アスカーを表す天体）とロード８（死を表す天体）がアプローチしていたら、そのアスペクトは死を表します。
しかし、もし２つの天体がセパレートしていたらどうなるでしょうか？
セパレートは過去のイベントを表します。
そのため、「アスカーはまだ生きているのだから、ロード１とロード８がセパレートしているということは、アスカーと死が離れつつあるということ。つまり、アスカーは生き延びる」と判断しそうになりますが、そのようには考えません。

セパレートの判断は、デフォルト・オプションを設定しておいて、その設定に従います。
もし質問をした時にアスカーが元気な場合、デフォルト・オプションを「生き延びる」に設定します。
そしてロード１とロード８のセパレートを見つけたら、「アスカーは生き延びる」と判断します。
「アスカーは死と接触したけれど、今元気ということは、死に連れ去られることはなかった」という判断です。

もし質問した時アスカーの容態が悪い場合、デフォルト・オプションを「亡くなりそう」に設定します。
この状態でロード１とロード８のセパレートを見つけたら、「すでに死が訪れた後の状態」という風に判断します。
アスカーは、ほどなくして亡くなる可能性が高いでしょう。

とはいえ、デフォルト・オプションを設定するには、経験が必要になるかもしれません。
東洋医学に詳しい方から、印象的なお話を伺ったことがあります。
「人間はね、最初に目から亡くなるんだよ。起きて話ができていても、そういう時は数日中に亡くなるんだ。」
その方なら、占う前に結果がわかってしまうでしょう。
お医者さんも兼ねていた昔の占星術師たちも、たぶん、死を見分けることができたのではないでしょうか。

余談ですが、手塚治虫さんの『ブラック・ジャック』を読んでいたら、「耳は最後まで生きている」という話が出てきました。
亡くなっているように見えても、まだ生きていて聞こえているということですね。

その他

・死を表す天体（ロード８）のエッセンシャル・ディグニティ
・直接質問されないこともある
・死のタイミングは、ホロスコープに表示されないことがある

死を表す天体（ロード８）のエッセンシャル・ディグニティ

死を表す天体（ロード８）のエッセンシャル・ディグニティを考慮する必要はありません。
ロード８のエッセンシャル・ディグニティが良くても悪くても、死の天体であることに変わりはなく、その役割を果たします。

直接質問されないこともある

「私は死ぬことになりますか？」というように、直接質問する人もいるにはいますが、「○○しても、大丈夫？」というように、質問の背後に死が隠れているケースもあります。
アスカーとよく話をして、どういう意味で質問をしているのか確かめましょう。

例えば、「私は故郷（や祖国など）に戻っても安全ですか？」
これは、どういう意味でしょうか？
「実は親父と仲が悪いんですよ。殴られないか心配で」
これは死を表す天体（ロード８）よりも、お父さんを表す天体（ロード４）が関係しているようですね。
「実は、捕まらないかどうか心配なんですよ」
ロード８より、投獄を表す天体（ロード１２）が関係しているようです。
「実は内戦の真っ只中でして。死なないか心配です。」
死が隠れていましたね。これはロード８を使う質問です。
もし「死」が隠れていたら、上で説明した通りの方法で、死の可能性を判断します。

死のタイミングは、ホロスコープに表示されないことがある

死のタイミングは、ホロスコープに表示されないことがあります。
後でホロスコープを見直してみても、そのタイミングがホロスコープに表示されていないことがあるのです。
ホラリーでは、死のタイミングを扱うことは難しいようです。