2-3.CL式ナチュラル・ルーラー

2020/6/27 更新

CL式とJF式で使われるナチュラル・ルーラーについて説明します。

ナチュラル・ルーラーの使い方

CL式では、相談内容に当てはまるナチュラル・ルーラーをその都度使います。
例えば、コンピューターについて相談された時には、コンピューターのナチュラル・ルーラーである水星がコンピューターを表すと考えて占いを進めるのです。
この時、ハウス・ルーラーも同時に考えるので、例えばアスカーのコンピューターは、アスカーの所有物を表すロード2と水星によって表されることになります。
このことから明らかなように、ナチュラル・ルーラーは相談を受ける前に覚えておく必要があります。
JF式でもCL式と同じ方法を解説しています。
そのため基本は同じと考えてよいのですが、実際のところJF式では恋愛関係と探し物以外ではナチュラル・ルーラーをあまり使用していないように感じます。
JF式を使いたい方は、少なめに使うと良いのかもしれません。

ナチュラル・ルーラーの意味

【ナチュラル・ルーラーの意味】
1.基本的な意味
2.7天体の意味
3.天体と身体の器官
4.天体と色
5.恋愛
6.探し物

1.基本的な意味

天体は、温度湿度の組み合わせ、昼夜、男女の区別、基本の良し悪しを持つと考えられています。

・温度湿度の組み合わせ
温度湿度の組み合わせは、熱と冷、乾と湿の要素で構成されます。
日本語では呼びにくいのでホット、コールド、ドライ、モイストと呼びましょう。
この要素を使い、ホットとドライ、ホットとモイスト、それからコールドとドライ、コールドとモイストという4つの組み合わせで天体を表現します。
例えば、土星はコールドとドライで、冷たく乾いた天体に分類されます。
木星ならホットでモイストなので、熱く湿った天体とされます。
そしてこれを物事の良し悪しを判断する基準に使っています。
例えば、土星は乾いていて冷たい天体だからよくない、木星は暖かくて湿っているからよい、など。
良し悪しの判断方法はCL式とJF式で扱いが異なります。
CL式はわりと単純で、どんな相談事でも土星と火星は悪く、木星と金星は良いと考えています。その他の天体はその都度判断、となるようです。
少し詳しく説明すると、土星は冷たすぎて乾きすぎているから、火星は熱すぎて乾きすぎているから悪く、木星と金星はマイルド(穏やか)だから良い、となります。
JF式では文脈によって良し悪しを判断しています。
例えば、冷蔵庫を表す天体として冷たい土星と暖かい木星のどちらが相応しいでしょうか?
暖かい冷蔵庫はありえないので土星ですね。

・昼夜
天体は昼夜の区別を持つとされます。
例えば、土星は夜の天体です。そして太陽は昼の天体です。
ここからCL式では、もしも昼の遠足が土星で表されているとよくないね、と判断されることがあるようです。

・男女
天体には男女の区別があるとされます。
例えば、土星は男性で、金星は女性です。
男女の区別が必要な相談の時に役に立つことがあるようです。
例えば、生まれてくる子供の性別が知りたいとか。
今はもう使わなくなりましたが、朝比奈もその昔、真面目に取り組んだことがありました。興味のある方は試してみるとよいでしょう。

・基本の良し悪し
CL式では、天体には基本的に良し悪しがあると考えられています。
良い天体はベネフィック、悪い天体はマレフィックと呼ばれます。
ベネフィックは木星と金星、マレフィックは土星と火星です。他の天体にそのような区別はありません。
使い方は単純で、例えば、好きな彼を表す天体が木星ならベネフィックだから良い、土星ならマレフィックだから悪い、と説明されます。
ジョン・フローリーはこの考え方が嫌いなので、JF式ではこの区別は使いません。
天体の良し悪しは、このように単純に決まるものではなく、天体間のアスペクトやレセプションからそれぞれ判断するものである、と説明しています。
例えば、土星と木星の関係を考えると木星が土星にとって悪い天体になっているけれど、土星と金星の関係を考えると金星が土星にとって良い天体になっていたりする、と考えるのです。
それはそうですよね。土星と火星がマレフィックで悪い天体であるというのなら、他の要素、例えばアスペクトやディグニティやレセプションは一体何のために考察するのでしょうか。

2.7天体の意味

2-1.土星

・コールド&ドライ(冷&乾)、昼天体、男性天体

・古い、暗い、固い、重い
・憂鬱
・死、腐る
・制限、束縛
・乾燥、冷たさ、寂しさ、孤独
・根の植物(地下で育つ)
・鉛(重い)
・錠前(開けるための鍵は水星)
・麻薬(中毒)
・壁、障壁、境界(バリアー)
・傘(バリアー)
・カメラ(保存)
・農業(土星は農業の神様)
・モグラ、犬、猫、ハゲタカ
・土の中に住む生きもの
・ツタ(暗いところに茂る)
・夜生まれ(太陽が地平線の下にある時)の人のお父さん
・収監(刑務所)

2-2.木星

・ホット&モイスト(熱&湿)、昼天体、男性天体

・大きいもの
・拡大、豪華、贅沢
・宗教、自由、神父、裁判官、先生、教師、導師
・お金持ち
・宴会
・ツタ(広がる植物なので。土星もツタのナチュラル・ルーラーですが、このように複数の天体がナチュラル・ルーラーになっている物もたくさんあります)
・フルーツの木
・大人しくて人の役に立つ大きな動物
・アメジスト、サファイア、エメラルド、クリスタル、錫
・雨
・慈悲

2-3.火星

・ホット&ドライ(熱&乾)、天体(間違えやすいのですが、火星は夜の天体です)、男性天体

・暴力、攻撃、鋭さ、切り裂く
・熱い、燃える
・赤色
・兵士、肉屋、外科医、美容師、理容師
・海賊
・火を使って働く人
・料理人、消防士
・ブラッドストーン、珊瑚
・離婚、別れ
・手術

2-4.太陽

・ホット&ドライ(熱&乾)、昼天体、男性天体

・ただ一つの存在、王、黄金、名誉
・命を与える物 : 主食(ご飯やパン)
・そのカテゴリーの王者 : ライオン(動物)、タカ(鳥)、ダイアモンド(宝石)
・お昼生まれの人(太陽が地平線の上にある時)のお父さん

2-5.金星

・コールド&モイスト(冷&湿)、夜天体、女性天体

・柔らかいもの、かわいいもの、香り
・魅力、喜び、楽しみ
・花
・チョコレート、キス、結婚、宴会
・芸術、美術、音楽
・化粧、香水
・宝石商
・柔らかくて抱きしめたくなる動物
・銅、真鍮、コーネリアン
・お昼生まれの人(太陽が地平線の上にある時)のお母さん

※ここでの花は、一般的な花を指しています。花や草には種類ごとにナチュラル・ルーラーが割り当てられていますが、数が多すぎるのでここでは省略します。

2-6.水星

・コールド&ドライ(冷&乾)

・曖昧、器用、嘘つき
・甘くて酸っぱいもの
・カクテル、ピザ
・小さくてたくさん数があるもの : ポテトチップスなど、チェリー
・風、地震
・人間に似ている動物 : 猿、オウム(しゃべる)
・泥棒、詐欺師
・鍵(土星の錠前を開ける)
・考えを表明する、話す、嘘をつく
・コミュニケーション
・コンピューター
・占星術、占星術師
・会計士、メッセンジャー、メディアの人
・医者、薬、弁護士
・文書、書類、本、雑誌

2-7.月

・コールド&モイスト(冷&湿)、夜天体、女性天体

・水、液体
・柔らかいもの、小さなもの、形のないもの(アメーバなど)
・白色
・キャベツ(丸い形から)
・きゅうり、メロン(水分たっぷり)
・キノコ
・夜生まれ(太陽が地平線の下にある時)の人のお母さん
・ろうそく(暗闇を照らすため。電球なども。)
・変わりやすさ
・中毒
・失くしたもの、見つからないもの
・新しいもの、新しさ
・国民
・王妃(国王の后として。もし彼女が国王ならば太陽が彼女を表す)
・看護師
・物乞いの人
・水夫、バーテンダー
・看護師、清掃業の人
・ムーンストーン
・赤ちゃん

例外 : 水星の特殊な考え方

7天体について解説してきましたが、この中で水星だけはやや特殊な考え方をします。

・水星の昼夜の区別

【水星の昼夜】
オリエンタルにいる時は昼天体(例:太陽ふたご座20度、水星ふたご座10度)
オクシデンタルにいる時は夜天体(例:太陽かに座5度、水星かに座25度)

水星の昼夜の区別は、太陽に対する水星の位置で決まります。
位置の考え方が少し難しいのですが、CL式では天体が太陽の位置と比べてサインの前方にいる時、「天体が(太陽の場所と比べて)オリエンタル(の場所)にいる」と表現します。
一方、天体が太陽の位置と比べて後方にいる時は、「天体が(太陽の場所と比べて)オクシデンタル(の場所)にいる」と表現します。
ここから、上記のような昼夜の区別をしています。
なお、水星は太陽から29度以上離れることがないので、水星を肉眼で確認できる時刻は一日のうちで極めて限られていて、具体的には日の出直前と、日の入り直後のタイミングだけです。
おそらくここから、オリエンタル(東)、オクシデンタル(西)という呼び方が生まれたのでしょう。

・水星の男女の区別
水星は男性と女性の両方、両性具有の性質を持つと考えられていますが、基本的には男性天体になります。しかし天体とのアスペクトや水星のいるサインによって性別が変化するとも考えられています。
・男性天体 : 男性天体とアスペクトしている時、または水星が男性サインにいる時
・女性天体 : 女性天体とアスペクトしている時、または水星が女性サインにいる時

それでは、男性天体とアスペクトしていて女性サインにいるときはどうなるのでしょうか?
この辺りCL式では説明されていないのですが、恐らく両性具有と判断するのでしょう。

3.天体と身体の器官

【天体と身体の器官】
土星 : 右耳、骨、歯、皮膚(外界とのバリアー)、関節、脾臓(不機嫌はここに宿ると考えられています)
木星 : 肺、肝臓、左耳、精液、血液(体の中の血液。外に出た血液は火星)、精子
火星 : 胆嚢、胆汁、膀胱、性器(特に男性)
太陽 : 生命力(生きる力)、心臓、脳、男の人(生き物の雄)の右目、女の人(生き物の雌)の左目
金星 : 腎臓、嗅覚、性器(特に女の人。子宮など。)
水星 : 舌、脳(理性の在るところ)、腕、手、指
月 : 胸、子宮、お腹、腸、男の人(生き物の雄)の左目、女の人(生き物の雌)の右目

【天体と身体的な特徴】
土星 : 細く、骨格ががっしりしている
木星 : 体が大きい、背も高く横幅もある
火星 : 背は低め、筋肉質、中背
太陽 : 木星ほどではないが火星より背が高い、がっしりしている
金星 : 背は低く、体は筋肉質ではなく柔らかい
水星 : 背がやや高い、細い、スレンダー
月 : 中背、少し太り気味

4.天体と色

天体はそれぞれ、ある特定の色のナチュラル・ルーラーになっていると考えられています。
以下の通りです。

【天体と色のナチュラル・ルーラー】
土星 : 暗い色、黒
木星 : ロイヤルブルー、インディゴ色、海の青色
火星 : 赤、黄、オレンジ
太陽 : 金、黄、紫
金星 : 明るい色、空色
水星 : グレー
月 : 薄い色、特にシルバーの色

5.恋愛

JF式については第2部、1.天体の選び方で説明します。
CL式についても基本的にはJF式と同様です。
少し異なるところはあるものの重要性が高いとは思えないので解説は省略します。

6.探し物

探し物ではナチュラル・ルーラーがよく使われます。
例えば、金を探すときには太陽、銀を探すときには月が使われます。
「探し物はブレスレットだけど、純金でできてるから太陽?それともブレスレットだから装飾品を表す金星?」
このようにどの天体を使えば良いか迷うような時には、以下の基準に従ってナチュラル・ルーラーを選びます。

【ナチュラル・ルーラーを選ぶ基準】
6-1. 最も目立つ性質から選ぶ
6-2. 役割、機能から選ぶ

6-1. 最も目立つ性質から選ぶ

その物の最も目立つ特徴を掴み、その特徴をよく表すナチュラル・ルーラーを用います。
例えば、「純金のブレスレットは…」
金のナチュラル・ルーラーである太陽を用います。
「柔らかいふわふわの毛布は…」
柔らかくてふわふわのナチュラル・ルーラーである金星を用います。

6-2. 役割、機能から選ぶ

役割、機能からもナチュラル・ルーラーを選ぶことができるようです。
この辺ちょっと無理矢理感がありますが、例えば金だけで出来ている傘を考えてみましょう。
この場合、この傘は金で作られているわけなので、最初に太陽が思い浮かびます。
しかし、もしアスカーが金のことはすっかり忘れていて、占星術師に「お気に入りの傘なんです」と相談したら、恐らくその傘は太陽ではなくバリアー(障壁)のナチュラル・ルーラーである土星によって表されることになる、と考えるのです。