初めに

2017/12/26 更新

このサイトではクラシック占星術の伝統的な占い方を「CL式」、ジョン・フローリー独特の占い方を「JF式」、そして朝比奈独自の占い方を「朝比奈式」と表記します。

CL式(しーえるしき)、JF式(じぇいえふしき)について

このサイトではホラリーの占い方を解説していますが、クラシック占星術の歴史が長いせいかホラリーにも色々な占い方が存在していて、多くの人の意見が一致しているものもあれば、一部の人にだけ使われているものもあります。
占い方の主流はウィリアム・リリー(William Lilly 1602~1681、イギリス人)が説明している方法になり、傍流はジョン・フローリー(John Frawley 1955~、イギリス人)が説明している方法になるでしょう。
ウィリアム・リリーは当時、手に入るだけの占星術の文献を集めまくって勉強し、それを元に経験を積み、その集大成としてクリスチャン・アストロロジー(Christian Astrology)という本を書いたとされています。
古くは紀元前の文献から、彼の生きた当時の文献まで手当たり次第に勉強したというんだから、凄い人ですね。
そのため、現在までウィリアム・リリーの占い方はホラリーのスタンダードという位置づけで広く認識されており、現在でもホラリーを実占する人の多くはウィリアム・リリーの占い方(CL式)を基本に占いをしていると思います。

一方、JF式とは、そんなウィリアム・リリーを研究し続けているジョン・フローリーというイギリスの占星術師が提唱している方法です。
朝比奈も彼の方法を学ぶところからクラシック占星術の世界に足を踏み入れました。
JF式とCL式とでは、占い方に共通する部分が多くあります。
ただ、ある部分で、JF式はCL式とは明らかに異なる占い方を用いています。
そのため、彼の方法論には賛否両論があり、伝統的な方法を否定しているのは受け入れ難い、それに当てはまっていないじゃないか、という感想を抱く人も多いようです。
しかし、彼はその誠実な性格と丁寧でわかりやすい解説で多くの人から支持を受けており、JF式を支持する人は少なくありません。
クラシック占星術を実占する人のうち、およそ8割の人がCL式を、2割ほどの人がJF式を使っていると思います。
もちろん、クラシック占星術では他にも多くの人が独自の方法を説明していますが、大きくこのような分け方ができると思います。
さて、このようにクラシック占星術と言っても大きく二つの占い方があるわけですが、このサイトでは、「CL式」と「JF式」という略号を使いながらそれぞれを解説することにします。
それと、クラシック占星術の王道はCL式なので、CL式とJF式を区別せずにCL式と記している時には、どちらにも共通の占い方であることを意味しています。

朝比奈式について

先に説明したように、クラシック占星術は大きくCL式とJF式に分かれていますが、勉強しているうちに、朝比奈はかなり特殊な占い方に辿り着きました。
この方法は、CL式ともJF式とも大きく異なる方法です。
少し例を挙げるだけでも、トロピカルではなくサイデリアルを用い、エッセンシャル・ディグニティやアラビアン・パートは使わず、サインと支配星の並びを始めとして、ハウスの意味、天体の意味、レセプションの使い方、アスペクトの意味などが異なります。
専門用語を知らない方のためにわかりやすく言い換えると、クラシック占星術を勉強した方から見るとこれは、「これのどこがクラシック占星術なんですか天体の呼び方とハウスの意味がちょこっと同じだけで他はほとんど全部違うものじゃないですか」と言われるような占星術です。
世界中を見渡してみても、このような占い方をしている人は他にいないでしょう。異端中の異端です。
それでも、朝比奈はこの占星術を朝比奈式占星術と命名し、このサイトでは基本的に、朝比奈式の占星術を説明するつもりです。

でも、朝比奈はできるだけ、CL式もJF式も解説する予定です。
なんせ、クラシック占星術のサイトですからね。あなたがここで勉強すれば他の本を読んだり古い文献を読んだりできるようになることを目指します。
クラシック占星術の占い方や歴史に触れていただき、試していただき、こういう風に占星術は歩んできたんだなと感じていただければ、とても嬉しいです。
あなたは、何も無理に朝比奈式を使う必要はありません。
CL式を使うもよし、JF式を使うもよし。
蓼食う虫も好き好き。

さてしかし、個人的に朝比奈が、CL式とJF式についてどう思っているのかは書いておいた方がいいかもしれませんね。
ここで少し触れておきましょう。

朝比奈は、JF式を学んでからCL式を学びました。
そこで、まずはJF式からいきましょう。
朝比奈にクラシック占星術を教えてくれたジョン・フローリーに、まず感謝を。ありがとうございます。
彼の説明していたホラリーで初めて占った内容は、CDの場所でした。
占ってCDを見つけたあの感動と言ったらありませんでした。
泣きそうでした。
もう夢中で勉強して、勉強して、たくさん占いました。
そうするうちに、朝比奈はJF式ではどうしても結果とずれる部分を多く発見するようになりました。
ホラリーでもかなり散々な思いをしましたが、JF式のネイタルへ進むとその傾向は顕著になり、朝比奈はこのずれの原因を究明すべく勉強を続けて、そのうちにCL式を学び始めました。
そこに答えがあるのではないかと思ったのです。

CL式とJF式は多くの部分が共通です。
それでも、占い方としてはっきり異なる部分はあり、そこに鍵があるのではないかと考えました。
しかし、朝比奈の期待に反して、その異なっている部分は本当に、理論的には滅茶苦茶でした。
専門的になりますが、CL式の天体の選び方をまともに実行すると、例えば、アスカーを表す天体が、下手をすると4つ5つ登場し、アスクトを表す天体も同数程度出現したりします。
天体は7つしかないのに、アスカーを表す天体もアスクトを表す天体も4つも5つも出てきて、一体どうやって占えというのでしょうか。
だからこんなものが使い物になるわけもなく、朝比奈はすぐにCL式を使わなくなりました。
たぶんジョン・フローリーも同じことを思ったのでしょう。だからこそ、彼はJF式を作り出したのではないかと思います。
JF式とは、CL式の意味不明な部分を意味が通るように作り変えたもの、と言ってもいいのかもしれません。
こりゃJF式が流行るはずだよ、CL式を使う人は一体どういう風に占っているの?というのが朝比奈の感想です。
でも、さっさと答を言ってしまいましょう。
CL式を使う人たちは実際には、JF式に似たことをしつつ、例えば天体の選び方はほぼJF式を用いながら、占い方がおかしくなりすぎないぎりぎりの線を見極めながらCL式を使っているのです。
CL式は無理があるなと、つくづく思います。
正直に言って、世界中の占星術師たちがクリスチャン・アストロロジーのどこを絶賛しているのか理解に苦しみます。
昔この本を勉強していた頃、こんなに複雑な理論を元に占いができるなんて、なんてすごい先生なんだ!と思っていた頃もありましたが、実際には使いようがありませんでした。
この本では、これこれこういう内容をこうやって占った、そして当たった、というホロスコープがずらずらと羅列されていますが、今振り返ってみれば、その内容がそもそも占星術では占うことが困難なものであったり、これはないだろうというような占い方ばかりです。
朝比奈は、この本の中に登場する相談事は、そのほとんどが信憑性に欠ける、想像の作り物だろうと考えています。ひどい話ですが、そう考えています。
さらに言えば、ウィリアム・リリーは占星術を理解していなかったと、今では考えています。彼の占いの説明を読んでいると、行き当たりばったりの羅列です。
もし、彼の占い結果が当たっていたとすればそれは、彼が誰か占いのできる方に聞いていたからではないかと思います。ホロスコープを元に導いた結果ではないのでしょう。
なんとかホロスコープから導いたかのように書いていますが、説明が滅茶苦茶です。こじつけるにしてもうまくこじつけられてすらいません。
このように、朝比奈はJF式にもCL式にも絶望というか、諦めというか、そういう色々な想いを抱きながらあがき、もがき、じたばたするうちに朝比奈式に辿り着いたというわけです。
しかし、朝比奈がこうなったというだけで、選ぶのはあなたです。
上にも記しましたが、このサイトでは朝比奈式だけでなく伝統的な占星術(特にJF式)も解説します。
そちらも学びつつ、ぜひ他の本も読んでみてください。
そして実際にどれを使うのか、あなた自身で選んでください。