アラビアン・パート(詳細)

2014/4/9 更新

幸運AP:Asc+月-☉太陽

The Part of Fortune(パート・オブ・フォーチュン)
Fotuna(フォーチュナ)

パート・オブ・フォーチュンとか、フォーチュナとか呼ばれています。
記号は もしくは、○の中に×が入っている記号part-of-fortune-001がよく用いられます。
パート・オブ・フォーチュンという名前がとても有名なため、結構迷ったのですが、やっぱりわかりやすさ重視で、このサイトでは呼び方を変えます。
「幸運AP(幸運えーぴー)」と、呼びましょう(>_<) 恐らく、最もよく使われるアラビアン・パートの一つで、占星術ソフトでホロスコープを作ると、大抵どこかに表示されています。 しかし、ホラリーで使う機会は少なく、主にネイタルで使います。 幸運APを計算する式は2つあります。 特別な名前がないので、S式とN式とでも呼んでおきましょう。 S式「Asc+月-☉太陽」
N式「Asc+月-☉太陽 R」
(N式は最後にRがついています。これは、ひっくり返して計算するということで、夜のホロスコープでは月と☉太陽をひっくり返して計算します)

どうして2つあるのか、僕にはよくわかりません。
クラシック占星術の研究者の方たちは、このどちらの式がより正しいか、いろいろ研究しているようです。

ジョン・フローリーはS式を採用しています。
そこで、幸運AP(Asc+月-☉太陽)を計算する式は、このサイトでは
Asc+月-☉太陽の方を使います。

◆幸運APの意味
幸運AP(Asc+月-☉太陽)はアスカーの望みを表しますが…ホラリーでは基本的に重要な意味を持ちません。
もうこれはネイタル専用ということにしておきましょうか…ネイタルでは重要な要素として登場するので、その時に詳しく説明します(*´ω`)

結婚AP:Asc+Desc-♀金星

The Part of Marriage(パート・オブ・マリッジ)
結婚APは、恋愛や結婚の質問で使用するアラビアン・パートです。
他のすべてのアラビアン・パートを全部足したよりも、もっとたくさん使うことになり、かなり重要です( ̄▽ ̄)
余談ですが、ジョン・フローリーはこの結婚APだけは、以前より使うようになったそうです。

【結婚APの意味と使い方】
1.クラシック占星術の結婚観
2.結婚、結婚生活、絆、二人の関係などを表す
3.結婚のタイミングは表示しない
4.夫婦だけでなく、恋人同士の質問でも使う
5.使い方の例

結婚APの意味をいきなり説明しても、たぶん理解できないので、順を追って説明します(・∀・)

1.クラシック占星術の結婚観

結婚APについて説明をする前に、その前提となっているクラシック占星術の思想について解説しておきます。

【クラシック占星術の結婚観:3人(?)の登場人物】
・アスカー
・アスカーの恋人
・結婚

恋愛や結婚って、登場人物は男女2人ですよね。
(同性同士の関係も登場しますが、その話は第2部、第7ハウスのページで解説するので、ちょっと置いておきましょう)
君が好きだよ私も好きよ、結婚しましょうそうしましょう(∩´∀`)∩(´ω`*)
他に登場人物は見当たりません。
しかし、クラシック占星術の考え方はちょっと異なります。
恋愛や結婚には、”彼(夫)”と”彼女(妻)”だけでなく、”結婚”という要素も登場すると、クラシック占星術は考えているのです。
この”結婚”は、法律的な意味だけではありません。
もちろん法的な意味も含みますが、もっと大きな枠で、二人の生活、絆、関係などを表すのです。

解説が難しいので、例を挙げましょう。
アスカーの言葉に注意してください。
アスカーと彼と、そして、”結婚”という第三者(?)が登場しています。
今の状況は問題にならないので気にせずに。
「私たちはお互い好きで、今年中に結婚したいんです。でも、私の親は彼のことは気に入っているけど、二人の状況が今のままなら結婚には反対だって言っているんです」
注目ポイント“彼”のことは気に入っているけど、”結婚”には反対
うっとりしちゃうくらい見事に表現されていますね。
“彼”だけでなく、”結婚”という存在が出てきました。

「旦那のことはもう好きじゃないけど、でも子供もいるし、別れられないんです(結婚は解消できないんです)」
“旦那”はどうでもいいけど、”結婚”はどうでもよくない。
わかる人にはわかる言葉ですね(@_@;)

「彼のことは好きなんですけど、遠距離恋愛だから1年に2回くらいしか会えなくてすごく寂しいんです」
“彼”のことは好きだけど、”今の関係”には不満なんです
翻訳してみました。ふむふむ。よく聞くお話です。

いかがでしょうか?
アスカーの話には、”アスカー”と、”彼(彼女)”と、そして”結婚(絆、関係)”が登場していますね。
このように、恋愛でも結婚でも、恋人関係が存在する時、そこには常に登場人物(?)が3人(?)いるよ、という考え方なのです。
恋人関係に登場する、この第三の登場人物(?)を、結婚APが表してくれるのです。
“彼”と”彼女”だけではなく、”結婚”という要素も登場させることで、複雑な恋人関係が、より明快に理解できるようになるのです。
…便利ですね~( ゚Д゚)
男女関係は男と女のお話だと思っていましたが、この考え方に出会って衝撃を受けました。
た、たしかに…。そうだ、その通りじゃないか…。
この考え方、一体誰が考えたんでしょうね、なんとなく在原業平(ありわらのなりひら:恋の達人として知られる)を思い出してしまいましたが、歴史的な発明品だと思います。
もっと使われるようになればいいのになー(^ω^)
それでは、もう一度意味をまとめておきましょう。

2.結婚、結婚生活、絆、二人の関係などを表す

クラシック占星術では、男女関係に”彼”、”彼女”、”結婚”の三要素が登場します。
結婚APは、この結婚を表します。
細かく言うと、アスカーとアスクト(彼や彼女)の法律的な結婚、結婚生活、同棲生活など二人の関係、さらに二人の絆などを表します。

※いちいち挙げていると大変なので、ここからは代表として、”結婚”を使って説明します。

結婚APは、二人にとって、その”結婚”が幸せなものなのかどうかを表します。
両想いであっても二人にとって幸せなものではなかったり、彼には嬉しい結婚でも彼女には嬉しくない結婚だったり、お互い無関心状態でも結婚は続けることで合意していたり…というようなことが表示されるのです。

次に使い方を見ていきましょう。
使い方の注意が2つあります。
結婚のタイミングは表示されないことと、夫婦だけでなく、恋人同士の質問でも使うことです。

3.結婚のタイミングは表示しない

結婚APは、名前に”結婚”がついています。
そのため、「あ、アスカーを表す天体と結婚APの支配星がイベント・アスペクトするから、このタイミングで結婚するんだ!」という風に、ついつい考えてしまいます。

でも、結婚APも結婚APの支配星も、結婚のタイミングは表しません。
アスカーを表す天体か恋人を表す天体が、結婚APか結婚APの支配星にアスペクトしても結婚することにはならないし、結婚のタイミングを表すこともないのです。
結婚のタイミングは、アスカーを表す天体と、アスカーの恋人を表す天体のアスペクトから判断します。
結婚APは、あくまでも二人の結婚や関係の状況だけを表示するもので、実際に結婚するかどうかは、二人の天体から判断します。
男女がくっつかなければ、結婚は成立しないのです(*´Д`)

4.夫婦だけでなく、恋人同士の質問でも使う

結婚APは、質問が夫婦の関係だけでなく、恋人同士の関係の時でも使用します。
名前が”結婚”なのでややこしいですが、気をつけてください。

5.結婚AP:使い方の例

ここで、少し例を見てみましょう。
実例は、第2部の第7ハウスのページで出てくる予定です。

「彼とはもう終わりですか?」
アスカーを表す天体が、彼を表す天体に対して全く関心がない状態で、結婚APの支配星に対して強いレセプションがある時、
「彼に対しての関心はないけれど、一人になりたくないから、彼といたい」ことを表します。
本当に関係を続けたいのか、もう一度よく考えてみた方がよいでしょう。

※結婚APの支配星
例えば、結婚APが♈おひつじ座にある時、結婚APの支配星は♂火星です。

「彼女は僕を捨てる気ですか?」
彼女を表す天体が、結婚APの支配星のマイ・サインから出ていこうとしていたら(27度より後ろにいたら)、
彼女は、”彼との関係”にお別れしようとしているところです。
(ただし、アスカーと彼女のレセプション(好き嫌い、関心)など、他の要素も必ず確認してください。レセプションが”お互い大好き”なら、お別れになる可能性はとても低くなります。)

天体がこのようにサインの最後のところにいることはよくあります。
ただし、進む方向を必ずチェックしてください。
サインが変わるギリギリまで進んで、ストップ(天体が止まっている状態)してから逆行するかもしれません。
そうしたら、さよならの予定をキャンセルすることを表します。
彼には嬉しいお知らせですね(^^)/

※結婚APの支配星のマイ・サイン
結婚APの支配星が支配するサイン(マイ・サイン)を、「結婚APの支配星のマイ・サイン」と呼びます。
例えば、結婚APの支配星が♂火星なら、♈おひつじ座と♏さそり座になります。

「いつ結婚できますか?」
アスカーを表す天体が、最近、結婚APの支配星のマイ・サインに入ってきているところを発見したら、
アスカーは最近になって「そろそろ結婚したいな」と考え始めたことを表します。
お見合いをしている人に見られます。

「つき合い始めたばかりなんですけど…この先、ずっと幸せな関係になりますか?」
結婚APの支配星が、固定サインにいて、エッセンシャル・ディグニティ(本質の良さ)が良ければ、長く(固定サイン)、幸せな関係になります。

「父は結婚に賛成してくれますか?」
お父さんを表す天体(ロード4)が、結婚APの支配星に対してフォール(憎いくらいの嫌悪)なら、結婚に反対です。

「結婚して、子供はできますか?」
結婚APと結婚APの支配星が豊作のサインにいたら、子供ができる強い印になります。

使用上の注意

アラビアン・パートのページで説明しましたが、レセプション(好き嫌い、関心)は必ず、結婚APの支配星から判断してください。
「おっ、結婚APはアスカー(ロード1)のことが好きみたいだぞ」とは考えません
「結婚APの支配星はアスカー(ロード1)のことが好きみたいだぞ」という風に考えます。

離婚AP:Asc+Desc-♂火星

The Part of Divorce(パート・オブ・ディヴォース)
離婚APは、離婚を表します。
“離婚”自体が、第三者として登場するということです。

◆使い方◆
1.離婚APは、離婚のタイミングを表すことがある
2.使い方の例
3.アスカーが”離婚”に言及した時だけ使用する
4.このアラビアン・パートはもう、使わない??

1.離婚APは、離婚のタイミングを表すことがある

離婚APは、イベントを引き起こすアラビアン・パートの一つです。
離婚のタイミングを表すことがあります。
アスカーを表す天体(ロード1)が離婚APに☌コンジャンクション(0度、同じサイン)しようとしていたら、アスカーがこれから離婚することを表します。
アスカー(ロード1)が離婚APに☍オポジション(180度、反対のサイン)しようとしていたら、離婚するけれど、後悔することを表します。

2.使い方の例

「夫と大喧嘩してしまいました。離婚することになりますか?」
ホロスコープを見てみると、アスカーを表す天体は離婚APの支配星に対してフォール(憎いくらいの嫌悪)、夫を表す天体は離婚APの支配星に対してイグザルテーション(熱中してて悪いとこ見えなーい)。
アスカーは離婚したくない(離婚嫌い)のに、夫は離婚したい(離婚好き)状態です。

「離婚して、子供に影響はありますか?」
子供を表す天体(ロード5)が離婚APの支配星に対してデトリメント(大嫌い)、離婚APの支配星も子供(ロード5)に対してデトリメントなら、
子供は離婚して欲しくないし、また、離婚は子供を傷つけてしまいます。

3.アスカーが”離婚”に言及した時だけ使用する

このアラビアン・パートは特に、アスカーがハッキリ「離婚」と言葉にした時だけ使用してください。

「もしかすると、本当は別れたがってるのかなー?」
くらいの感覚では、このアラビアン・パートは使いません。
アスカーが「離婚」と口にした時だけ、使用します。

4.このアラビアン・パートはもう、使わない??

ジョン・フローリーは、ホラリーでは、このアラビアン・パートは全く使わなくなったそうです。

「離婚したい」とアスカーが言葉にした時、その本当の意味は、「もうこのまま結婚していたくない」という意味だと悟ったそうです。
離婚APはもう使わず、結婚APだけを使うようになったということでしょう。

うーん(・・;)
どうしましょうねー?
僕も30年くらい使ってから同じようなこと言ってみようかな?( ゚Д゚)
僕には今のところ判断がつかないので、彼の言葉を頭に入れつつ、こっそり使っています…

辞職・解雇AP:♄土星+♃木星-☉太陽

The Part of Resignation and Dismissal(パート・オブ・レズィグネイション アンド ディスミサル)
アスカーの相談内容が、辞職について、解雇についての時に使用します。
「仕事、クビになりませんか?」という質問で、よく使います。

◆使い方◆
このアラビアン・パートはイベントを発生させるアラビアン・パートの一つです。

「仕事を辞めるべきですか?」
ロード1(アスカーを表す天体)が辞職・解雇APと☍オポジション(180度、反対のサイン)しようとしていたら、
「後悔しますよ…(*_*)」
止めてあげましょう。

仕事AP:Mc+月-☉太陽
有名AP:Asc+♃木星-☉太陽 R

The Part of Vocation(パート・オブ・ヴォケイション:仕事)
The Part of Fame(パート・オブ・フェイム:有名)

質問が仕事に関する時に、この2つのアラビアン・パートを使います。
基本はネイタルで使いますが、ホラリーでも重要になることがあります。
仕事APと有名APは、適職や転職などを判断する時に使います。

前に辞職・解雇APが出てきましたが、辞職・解雇APは質問が辞職、または解雇に関する時にのみ使用します。

◆仕事AP:Mc(第10ハウス・カスプ)+月-☉太陽

したくてたまらない仕事、アスカーが心から望む仕事を表します。

「このまま仕事を続けるべきか、それとも父の介護をするべきか、迷っているんです」
仕事APが第4ハウス・カスプ(父を表す場所)に☌コンジャンクション。(0度、同じサイン)
「あなたは、お父さんに寄り添うことを望んでいるようです。」
お父さんの介護は、仕事とは呼べないのかもしれませんが、クラシック占星術は仕事のようなものだと考えているのかもしれませんね。

この”仕事AP”は、Mc(第10ハウス)を使ったアラビアン・パートです。
第10ハウスは、”仕事のハウス”として紹介されていますが、広い意味では”アスカーの活動”を表すハウスです。
そのため、この仕事APは、正確には”アスカーの活動AP”とでも呼んだ方がいいのかもしれません。
仕事APが介護を示していたのは、この辺りに理由があるのかもしれないなーと、何となく考えました。

他の例として、「仕事をするか、専門学校へ行くかで迷っています」
仕事APが第2ハウス・カスプ(財産を表す場所)に☌コンジャンクション。(0度、同じサイン)
「お金を稼ぐことを望んでいるようです。」

◆有名AP:Asc+♃木星-☉太陽 R

1.アスカーは、その活動を通して社会的に知られる
2.今、しなくてはならないことを、する

この有名APは、アスカーがどんなことで有名人になるかを表します。
多くの人に知られるほど有名になるかどうかではなく、その人は、そういうことをしている人だよね、と、周囲の人に認知されるという意味です。

さらに、「今、これをしなくてはいけないから、やるの。」という意味もあります。
切実にそれをしなければならない理由があります。

「このまま仕事を続けるべきか、それとも父の介護をするべきか、迷っているんです」
有名APが父を表す天体(ロード4)に☌コンジャンクション。(0度、同じサイン)
アスカー以外、現実的にお父さんの介護ができる人は家族にいませんでした。
介護ができるのはアスカーだけで、しなければならないことでした。
また、その結果として、もちろんアスカーは友人や親戚から「今、お父さんの介護をしてるんだよね」と知られるようになりました。

使い方の注意

この有名APは、最後にRがついています。
「有名AP:Asc+♃木星-☉太陽 R
Rがついているので、夜のチャートでは、♃木星と☉太陽をひっくり返して計算します。
「Asc+☉太陽-♃木星」ですね(=゚ω゚)ノ

死のAP:Asc+8カスプ-月、8カスプ+♄土星-月

The Part of Death(パート・オブ・デス)
怖い名前です。なんといっても名前に「死」が入っていますからね。
しかし、名前に”死”が入っているので誤解されそうですが、「死ぬかどうか」直接質問されている場合には、使いません

例えばアスカーが重病で、「私は死にますか?」という質問をした時。
こういう質問では、死のAPは使わないのです。
「ええ? だって死ぬことについての質問でしょ??」
その通りです。
しかし、こういう直接的な質問では、アスカーを表す天体と死を表す天体のアスペクトを探すことになり、死のAPは使用しません。
(詳しい占い方は、第2ハウス第8ハウスのページで説明します)
同様に、「私の父は死にますか?」のような感じで、アスカーが誰か他の人の死について直接相談している時も、このアラビアン・パートは使わないのです。
このアラビアン・パートは、間接的に死ぬ可能性がある質問を占う時に、使うのです

例えば、「手術を受けても大丈夫?」
死のAPが手術を表す天体と☌コンジャンクション(0度、同じサイン)していれば、「危険です。」

しかし、ホラリーでは、このアラビアン・パートが直接、”死”を表示することは稀で、例えば上の例でも、手術を受けるのは確かに危険ですが、しかし確実に死ぬというわけではないのです。
つまり、死のAPの意味は、下のようになります。

◆死のAPの意味◆
死が近くにいるよ(*_*)

曖昧ですねー(@_@;)

◆計算式は2つ◆
死のAPを計算する式は、いくつかあるようです。
ジョン・フローリーはその中の2つだけを紹介していて、他の計算式は紹介していません。
ただ、他の式が間違っているわけではなく、この2つで十分、ということだそうです。
計算式が2つあるので、このアラビアン・パートを使う時には、2つとも計算してください。

【死のAP:2つ】
1.Asc+8カスプ-月
2.8カスプ+♄土星-月

手術AP:Asc+♄土星-♂火星 R

The Part of Surgery(パート・オブ・サージャリー)
手術APという名前そのままに、このアラビアン・パートは”手術”を表します。
※結局、手術についての質問では、手術APと死のAPどちらも使うということですね。

しかし、死のAPと同じく、使い方に注意が必要です。
この手術APは、♂火星が使えない時の代わりなのです。
ホラリーで手術について占うとき、手術を表す天体は、まず♂火星を考えます。
クラシック占星術では手術を表すハウスが存在しないので、ハウス・ルーラーは存在しません。
そのため、「手術=♂火星」というように、手術を表す天体は、手術のナチュラル・ルーラーである♂火星を使うのです。

しかし、ホロスコープによっては、♂火星がすでにアスカーを表す天体や病気を表す天体として使われてしまっていることがあります。
例えばアスカーを表す天体が♂火星だったとしましょう。
このような場合、♂火星はアスカーを優先的に表すことになるため、♂火星が手術を表すとは考えません。
こういう時に、手術APを使い、手術APの支配星を、手術を表す天体として使うのです。
ただ、手術についての質問では、♂火星を使える時でも、一応この手術APを計算してみてください。
手術APが、何か伝えてくれるかもしれないからです。

病気を表す天体が、手術APの支配星のマイ・サインにいれば、手術が病気に対して支配力を持っているので、手術が成功する可能性が高くなります。
逆に、手術APや手術APの支配星が病気を表す天体のマイ・サインにいれば、病気が手術に対して支配力を持っているので、手術が成功する可能性が低くなります。
※病気や手術についての占い方法は、第2部第6ハウスで説明します

◆使い方の例◆
「目のレーザー手術を受けてもいい?」
手術APか手術APの支配星が、もし視力を傷つける恒星と☌コンジャンクション(0度、同じサイン)していたら、手術は避けた方が良いでしょう。
それから、目(視力)についての質問では、目のナチュラル・ルーラーである☉太陽と月が重要になります。
手術APと手術APの支配星が、☉太陽と月に対してどのような関係になっているかもチェックしてください。
例えば手術APの支配星が☉太陽を傷つけていたら、手術は避けておいた方がよいでしょう。

※視力を傷つける恒星は数が多いので省略します。
詳しくは、恒星のページをご覧ください。


その他のアラビアン・パート

アラビアン・パートは、ここに挙げたもの以外にも、色々なものがあります。
小麦、オリーブ、キュウリ、ぶどう…などなど。
とんでもない数です、占星術どうなってるの(^_^;)

「収穫したキュウリを、いつ市場に持っていけば良い?」
キュウリのアラビアン・パートとお客さん(第7ハウス)のお金(2番目)を表す天体(ロード8)が1度でアスペクト。
「明日が良さそうです。」

「キュウリとナス、来年はどちらを作るべき?」
キュウリとナスのアラビアン・パートをそれぞれチェックして、どちらのディグニティ(良さ)が良いかを比べます。
例えば、キュウリのアラビアン・パートが悪い天体からアスペクトを受けていて、ナスのアラビアン・パートが良い天体からアスペクトを受けていたら、来年はナスを作る方が良いでしょう。

こんな感じで使われます。
昔はこういう質問は多かったようですが、今ではもう…(´ー`)
しっかり調べたことがないので詳しく説明できませんが、そのうち調べてみようかな。
密かに興味津々です笑

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補足:アラビアン・パートは、自分で作れるの?
昔と今では時代が違いますよね。
だから、昔はなかったけど今はあるものって、多いじゃないですか。
例えばシャーペン。
シャーペンのアラビアン・パートってあるのかって、あるわけありませんよね。
今から2,000年前、シャーペンは存在しなかったから、誰もシャーペンのアラビアン・パート(の計算式)を作ってくれなかったのです。
こういう、昔は存在していなかったモノについてのアラビアン・パートって、永遠に存在しないのでしょうか?
実は、ジョン・フローリーは「無いなら自分で作ればいいんです」と言っていて、作り方を説明しています。
ハハハ…
ま、ね、なんとなく予想してたけど、やっぱりわかりませんでした…
説明できる日が来る、気がしません(+_+)