6-1.JF式レセプション

2017/9/16 更新

エッセンシャル・ディグニティ

JF式でレセプションを調べるためには、エッセンシャル・ディグニティの表を使います。
レセプションとエッセンシャル・ディグニティは混乱しやすいので注意してください。
レセプションは天体の表す人物の気持ちを調べるもので、エッセンシャル・ディグニティは天体の状態を調べるものです。
最初のうちどうしても混乱すると思いますが、いくつか例を見ていくうちに慣れてくると思います。
説明がわかりにくかったら、とにかく例を見て何度も練習してみてください。それが近道です。
なお、ジョン・フローリーはトリプリシティやタームについてCL式とは異なる表を用いているので、その表に合わせて解説します。

◆ レセプションの基本の意味
 ・マイ・サイン:好き
 ・イグザルテーション:夢中
 ・トリプリシティ:まずまず好き
 ・ターム、フェイス:ちょっと好き
 ・デトリメント:嫌い
 ・フォール:失望させる
 ・ペレグリン:無関心

ある天体のレセプションを考える時には、その天体がいるサインと度数を見て、その場所のエッセンシャル・ディグニティの支配星を調べます。
天体は、それぞれの支配星たちに、それぞれ程度の異なるレセプションを持つことになります。
おひつじ座1度にいる金星のレセプションについて考えてみましょう。
おひつじ座1度のマイ・サインの支配星は火星、イグザルテーションの支配星は太陽、トリプリシティの支配星は、昼のチャートなら太陽、夜のチャートなら木星、タームの支配星は木星、フェイスの支配星は火星、デトリメントの支配星は金星、フォールの支配星は土星です。
つまり金星のレセプションは、順番に見てみると、火星に対してマイ・サイン(好き)、太陽に対してイグザルテーション(夢中)、お昼なら太陽にトリプリシティ(まずまず好き)、木星にターム(ちょっと好き)、火星にフェイス(ちょっと好き)、金星にデトリメント(嫌い)、土星にフォール(憎い)、登場しなかった水星と月にペレグリン(無関心)となります。

さらに例を挙げて考えてみましょう。お昼のチャートで、土星がかに座11度にいる時、この土星のレセプションはどのようになるでしょうか?
エッセンシャル・ディグニティの表で土星を探すのではなく、かに座11度のエッセンシャル・ディグニティの天体を調べてください。
まず、マイ・サインの天体は月なので、土星は月に対してマイ・サイン。次にイグザルテーションの天体は木星なので、土星は木星に対してイグザルテーション。
トリプリシティの天体は火星なので、土星は火星に対してトリプリシティ。タームの天体は木星なので、土星は木星に対してターム。フェイスは水星なので、土星は水星に対してフェイス。
デトリメントは土星なので、土星は土星に対してデトリメント。フォールは火星なので、火星に対してフォール。
そして、ここに登場しなかった太陽と金星に対してペレグリンになります。

さらにもう一つ。
夜のホロスコープで、いて座1度にいる太陽のレセプションを考えてみましょう。
太陽は、木星に対してマイ・サイン、イグザルテーションはなし、木星にトリプリシティ、木星にターム、水星にフェイス、水星にデトリメント、土星、火星、太陽、金星、月に対してペレグリンとなります。
それでは、レセプションの意味を説明していきます。

マイ・サイン(好き)

マイ・サインは好きという意味のレセプションです。
恋愛に直結するような強い気持ちを表します。
あるサインにいる天体は、そのサインのマイ・サインの支配星の表す物/事/人物のことが好きでしょう。
例えば、おひつじ座1度にいる月は、火星(おひつじ座の支配星)が表す物/事/人物が好き、という意味になります。

イグザルテーション(夢中・優先順位第一位・持ち上げる)

イグザルテーションはいくつかの意味を持つレセプションです。
一つ一つ見ていきましょう。
◆ 夢中
イグザルテーションは夢中という意味を表します。
アイドルに夢中になっている10代の女の子みたいな感じでしょうか。
「あ、今○○君があたしのこと見た! 見た! キャーッ…バタ」
イグザルテーションはパワフルなレセプションです。
相手に好意を持っていなかったとしても、大好きを連発されたら、悪い気はしませんよね?
こうして、相手の気持ちを振り向かせてしまうこともあるかもしれません。
ただ、このような舞い上がった気持ちは時間が経つと醒めることも珍しくはないので、この気持ちは長続きしない傾向もあるかもしれません。気持ちが落ち着くタイミングが、天体がサインを移動することで表示されることもあるでしょう。
◆ 優先順位第一位
「優先順位第一位」という意味を表すことがあります。
その天体のことが、他のレセプションによって表示される天体よりも重要という意味で、マイ・サインよりも、イグザルテーションの天体の方が、その天体にとっての優先順位は高くなります。
◆ 持ち上げる
相手を「持ち上げる」という意味を持つことがあります。
気持ではなく、単純に「持ち上げる」という意味で、例えばカップを持ち上げる、というような意味になります。

トリプリシティ(温かい気持ち)

マイ・サインとイグザルテーションは、喩えるなら愛情のような強い想いを表していました。
トリプリシティはそれ程強い気持ちではなく、温かい思いやり程度の気持ちを表します。
アスカーの年齢が若い場合、このレセプションでは恋愛関係はスタートしにくいでしょう。
しかし、お見合いのような関係でこのレセプションが発見できれば、まずまず悪くないのではないでしょうか。
アスカーの置かれている状況次第で解釈は変化すると思います。

ターム、フェイス

タームとフェイスは弱いレセプションです。
トリプリシティも弱めのレセプションですが、そのトリプリシティと比べてもさらに弱くなります。「嫌いではないくらい」と表現した方が適切なのかもしれません。
なお、タームとフェイスを比べると、フェイスの方がさらにさらに弱いレセプションになります。

デトリメント(嫌い)

デトリメントはマイ・サインの反対のレセプションで、嫌いという意味を表します。
例えば、てんびん座にいる天体は、火星のことを嫌っているでしょう。

フォール(失望する・憎む・落とす)

フォールはイグザルテーションの反対のレセプションです。
相手に失望する、憎む、それから相手を落とすなどの意味を持ちます。
◆ 失望する
フォールで最も頻出する意味が、この失望です。
例えば、てんびん座にいる天体は、太陽に対して失望していることがあるでしょう。
◆ 憎む
フォールはイグザルテーションの反対のレセプションです。
イグザルテーションが過剰な好意を表していたように、フォールも過剰な嫌悪を表すと考えられます。
そこから、フォールは「憎む」という意味を持つことがあります
例えば、てんびん座にいる天体は、太陽を憎んでいることがあるでしょう。
◆ 落とす
フォール(Fall)は【落ちる】という意味の英単語です。
そのため、「落ちる」もしくは「落とす」と解釈することがあります。
相手を悪い状態にしてしまうという意味になります。
例えば、てんびん座にいる天体は、太陽を落としてしまう、つまり悪い状態にしてしまうことがあるでしょう。

ペレグリン(無関心)

ペレグリンは、相手に対する無関心を表します。
例えば、おひつじ座1度にいる月は水星が表す物/事/人物に対して無関心です。

レセプションの矛盾

レセプションには矛盾している箇所があります。
例えば、かに座1度にいる月は火星のことが嫌い(デトリメント)ですが、同時に少しだけ好意(トリプリシティ)を持っています。
これはそのままの意味で嫌いだけど好きなところもある、という意味になります。

レセプションの例

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【登場人物】
 ・月 : ルーナちゃん
 ・火星 : 炎くん(ほのおくん)
 ・土星 : 土屋くん
  ※お昼のチャート

この3人の関係を、表を見ながら考えてみてください。
誰が誰を好きで、誰が誰を嫌っているのでしょうか?

まず、ルーナちゃんの気持ちからいきましょう。
ルーナちゃんを表す月はおひつじ座7度にいます。おひつじ座の行を見てください。マイ・サインに火星のマークがありますね?
火星に対してマイ・サイン
おお!ルーナちゃんは炎くんのこと、大好きですね!愛しちゃってます!
さらに表を見ていくと…土星を発見。フォールにいますね。
ありゃりゃ…ルーナちゃんは土屋くんのこと大っ嫌いで、憎しみすら抱いているようです。どうしたんでしょうね?
理由はともかく、これでルーナちゃんの気持ちはわかりました。

次に、炎くんの気持ちを見てみましょう。
炎くんを表す火星はかに座9度にいます。表のかに座の行を見て月と土星を探してください。
まずは月を発見しました。マイ・サインにいますね。ということは炎くんはルーナちゃんのこと大好きなので二人は両想い!よかったですね!
土屋くんを表す土星はデトリメントのところにいます。ルーナちゃん同様、炎くんも土屋くんのことが大嫌いみたいです。
…どうしてこの二人は土屋くんのこと嫌いなんでしょうか?
ともかく、最後に土屋くんの気持ちも見てみましょう。

土屋くんを表す土星はさそり座5度にいます。
さそり座の行を見てください。月と火星を見つけます。
まず月ですが…フォールにいるので、土屋くんはルーナちゃんのことを嫌っているようです。
土屋くんとルーナちゃんはお互い嫌い合っているみたいですね。

では、炎くんに対してはどうでしょう?
炎くんを表す火星を探すと…マイ・サインとトリプリシティと、さらにフェイスもおまけでついています。
あれれれ??
炎くんのこと、すっごい好きですね!?
こりゃ下手するとルーナちゃんよりも好きですわ。なんだこのBL展開は…予定になかったのに…

そうすると、あれですか?土屋くんは炎くんのこと大好きだから、炎くんと両想いのルーナちゃんのことを憎んでいるんでしょうか?まさかの恋敵だったのか!?
そりゃ土屋くん、ルーナちゃんが可哀想だよ!
いや、もっと可哀想なのはルーナちゃんと両想いなのに土屋くんにターゲットにされてる炎くん…?だから炎くんも土屋くんのこと大嫌いなのかもしれませんね!

おしまい

どうでしたでか?
ぜんぜん意図していませんでしたが良い感じに解説できた気がします。レセプションはこういう具合に見ていくことになります。

※誤解のないように付け加えておきますが、同性愛に対して否定的な気持ちはありません。
※この例では、フォールを憎むという意味で解釈しています。