2-5.文脈ルーラー

2020/07/25 更新

文脈ルーラーとは

【文脈ルーラー】
ハウス・ルーラーでもなくナチュラル・ルーラーでもないが、そのホロスコープの中で重要な登場人物などを表す天体

ホラリーでは、基本的に主役の天体をハウス・ルーラーから選びます。
例えば、彼に関する質問ではロード6やロード7を使うことが多くなるでしょう。
ところが、この時、相手を表す天体をハウス・ルーラーから選ぶと、おかしな感じになることがあります。
例えば、彼についての悩みで、アスカーを表すロード1が太陽、彼を表す天体の候補になるロード6とロード7がどちらも土星だったとしましょう。
そしてアスカーの話に従い太陽と土星のアスペクトとレセプションを考えると、アスカーの話とうまく合わなかったとします。
こういう時は、アスクトを表す天体がハウス・ルーラーではなく、文脈ルーラーで登場している可能性が高くなります。
例えばこの場合で、彼を表す天体として土星ではなく金星を使うとアスペクトもレセプションも一致するようならば、彼を表す天体は恐らく金星になるのです。
このように、ハウス・ルーラーからではなく、アスペクトやレセプションから選んだ天体を文脈ルーラーと呼びます。
文脈ルーラーという用語は朝比奈の創作です。
クラシック占星術には現在、文脈ルーラーという考え方自体が存在していないようなので名前をつけました。
ただし、文脈ルーラーという考え方自体は、占星術に元々存在しているものです。

文脈ルーラーはアスクトとして登場したり、第三者の天体として登場したりします。
例えば、アスクトの彼を表したり、彼の親を表したりします。
アスカーを表す天体以外、全てのハウス・ルーラーが文脈ルーラーで登場します
例えば、兄弟姉妹はロード3で登場するものですが、文脈ルーラーでも登場します。
親も、子供も、病気も、仕事も、文脈ルーラーで登場することがあります。
このため、アスクトを含めて、相談内容に登場する物/事/人物を表す天体は、ハウスの意味を覚えているだけでは正しく選ぶことはできません。
天体同士のアスペクトやレセプションを調べながら、ハウス・ルーラーなのか、文脈ルーラーなのか判断していく必要があるのです。
ただし、アスカーを表す天体が文脈ルーラーとして登場することだけはありません。

文脈ルーラーが登場する確率は約10%です。
ホラリーを10回すると1度くらいは出会う確率です。
しかし、文脈ルーラーはどういうわけか連続して登場することが多いため、感覚的には20%くらいに感じるでしょう。
最近しばらく見かけないなと思っていたら、ある時期に連続して何度も登場する感じです。
なお、文脈ルーラーはホラリーに限らず、ネイタルでも登場します。
ネイタルのホロスコープ、ディレクション、ソーラーリターン、ルーナーリターンで登場します。登場する確率は、ホラリーと同じく約10%です。

明確にこの考え方を意識しているわけではないようですが、JF式でもたまに文脈ルーラーを使っています。
「月がアスペクトしているこの天体はハウス・ルーラーでもナチュラル・ルーラーでもないが…」、「金星と強いミューチュアル・レセプションを持つこの天体はハウス・ルーラーではないが…」
このように、文脈ルーラーを使わないとどうにもならない時に限り使っているという印象です。
JF式の場合、ハウス・ルーラーが使える場合は必ずハウス・ルーラーを使うのです。
アスカーが兄のことで悩んでいる時に、兄弟姉妹を表すロード3ではなく文脈ルーラーを使うようなことはありません。
あくまでもハウス・ルーラーに該当しない人物についてのみ、文脈ルーラーを使用しています。
例えば、彼の恋人が文脈ルーラーとして登場している、と解説したりします。
「彼は第7ハウスであり、その彼の恋人は、ターン・チャートを考えると第7ハウスからの7番目になる。しかしそうすると第1ハウスに戻ってしまいアスカーと同じ天体になるのでおかしい。だからここでは彼の恋人は他の天体で表されているはずだ、怪しい天体を探してみるとほらここに…」

文脈ルーラーの見つけ方

【文脈ルーラーの見つけ方】
1.アスカーを表す天体とハウス・ルーラー、アスカーを表す天体と文脈ルーラーのレセプションを比較して、どちらがアスカーの話と一致するか考える
もしアスカーを表す天体とハウス・ルーラーの間のレセプションがおかしく、文脈ルーラーを用いるとレセプションの意味が自然に通れば、文脈ルーラーが登場している可能性が高い
2.アスカーを表す天体とハウス・ルーラー、アスカーを表す天体と文脈ルーラーのイベント・アスペクトを比較し、どちらがアスカーの話と一致するか考える
もしアスカーを表す天体とハウス・ルーラーの間のイベント・アスペクトの度数よりも、アスカーを表す天体と文脈ルーラーの間のイベント・アスペクトの度数の方が出来事と一致しているならば、文脈ルーラーが登場している可能性が高い
3.アスカーを表す天体がオーブ・アスペクトしている天体は文脈ルーラーの候補になりやすい
※注:この説明はアスカーを表す天体以外も当てはまる。例えば、アスクトを表す天体とのレセプションやアスペクトから文脈ルーラーを発見することもある。

現段階では全て説明が難しい項目なので、第1部の勉強が最後まで進んでから見直してみてください。
アスペクトについてだけ、少し説明しておきます。
文脈ルーラーをアスペクトから発見する時にはイベント・アスペクトの度数が重要な手がかりになるでしょう。
特にセパレートのアスペクトは過去の出来事を表すので、ヒントになりやすく、例えば、5日前に彼と喧嘩して…という相談で、アスカーを表す天体がある天体と5度前、もしくは10度前でイベント・アスペクトしていたら、その天体が文脈ルーラーの候補になります。
アプローチのアスペクトも使えることがあります。
例えば、3日後に会う予定で…という場合なら、アスカーを表す天体が3度、もしくは6度進むとイベント・アスペクトする天体が候補になるでしょう。

◆ 参考:文脈ルーラーの実際の使い方
彼と戻る?
彼はできる?
彼は戻る?(PS)