6.レセプション

2017/9/7 更新

レセプション(Receptions)

先日、もののけ姫を観ました。
主人公のアシタカがカッコイイ宮崎駿監督の名作ですね。
それはさておき、この物語の中でアシタカは懸命にヒロインのサンを助けようとしますが、それはなぜでしょうか?
…好きだからに決まってますよね。
大好きなサンになんとか生き延びてもらいたいからこそ、命を懸けて行動を共にするわけです。
このように人の行動には必ず動機があり、ホロスコープの中でその動機を発見する道具が、今回から学んでいくレセプションです。

レセプションはその天体が表す人物の気持ちを表します。
レセプションによって、その人物が、他の天体によって表された物/事/人物に対してどのような気持ちを抱いているのかが表示されます。

レセプションの注意点

レセプションは便利な道具ですが、注意点があります。

◆ レセプションの注意点
 ・対象人物との長い目で見た関係や相性を調べる時には、常識、育った環境、ネイタルが基本

ホラリーのレセプションは占った時点での人物の気持ちを表す要素であり、相性を示す要素ではありません。
ホラリーで表示されたお互いのレセプションが良いからといって相性が良いとは限らず、いつまでも仲の良い関係が続くというわけではないのです。
長い目で見た時、二人は仲良くつきあい続けられるかどうか。つまり二人の相性ですが、これは常識二人の育った環境ネイタルなどから判断します。
伝統的には、例えば恋愛について占った時、ホラリーの結果がよかったから後は順風満帆だね、みたいな説明がなされていたりします。頭がクラクラしそうです。大間違いです。
この説明は二重の意味で誤りです。
まず、レセプションは相性を表すものではありません。そのため、長い目で見た時の関係性をレセプションで判断してはいけないのです。この判断方法は下で説明していきます。
次に、そもそもホラリーはあくまでも短期間の関係性を示すものです。長いつき合いを判断する場合はホラリーではなくネイタルを用います。もしネイタルがわからない時はどうしようもありませんが、わかる時は絶対的にネイタルを優先します。
もし、恋愛についての相談で相手の生年月日がわからないような場合は…たまに納得のいく理由もありますが、もうその状況が既に何かおかしいですね。相手の生年月日を聞き出すところまでは、なんとか頑張りましょう。クラシック占星術は万能ではないので、せめて生年月日がわからないと占えることが減ってしまいます。
これから説明する方法はどんな人間関係にも応用可能ですが、わかりやすいと思うので恋人や結婚相手についてということで説明しておきます。

1.常識
常識は占星術に優先されます。
例えば、どんなに両想いだったとしても、5歳の男女が結婚できるはずがありませんよね。
「大きくなったらタローくんと結婚するのー!」
うんうん。子供だってわかっているようです。
同様に、20歳で結婚相手を探す場合と50歳の時に探す場合どちらが相手を見つけやすいか、これもすぐに判断できるでしょう。こういう常識は占星術に優先されることなので、ホラリーやネイタルの結果はこの常識の延長線上で考えてください。
容姿についても書いておきましょう。ホラリーにもネイタルにも、その人の容姿が表示されることはありません。かっこいい人や美人がもてるのはどこの国でも同じだと思いますが、このようなことはホラリーはもちろん、ネイタルにも表示されないのです。
そこで、すごく単純な話、アスカーがかっこよかったりきれいな人の場合には、その人が行動すれば、出会いの機会は多くなるだろう、という判断ができます。もちろん、それで求める人が見つかるかどうかはまた別の話ですよね。
伝統的には、その人の容姿はホラリーやネイタルに表示されると考えられていて、その方法論が詳しく説明されています。しかし、当てはまることはないでしょう。
例えば、「彼を表す天体が木星で黄道より北にいてエッセンシャル・ディグニティがいいから少し恰幅のいいステキな紳士で…」とか、「アセンダントがしし座だから彼は王者のようななんたらかんたら…」とか、こういう説明がなされています。

それから、ホラリーには占った時点でのレセプションが表示されるのであって、その後もずっと変わらないレセプションが表示されるわけではないので、このことにも注意してください。
例えば、どんなに仲の良いカップルであったとしても、ある日大喧嘩しちゃった!
ホラリー!
あ、彼は私のこと嫌いなんだ、エーン!
ありえることです。
でも、だから別れるのかといえばそういうことではありません。
ホラリーにはその時点での気持ちが表示されてはいるものの、ずーっと仲良しで、二人ともいきなり別れるような性格ではなくて…と来れば、そのときの一時的な、(軽めの)嫌いっという気持ちが表示されているにすぎません。
ホラリーに馴染んだ人は、しょっちゅうホロスコープを見たくなるとは思いますが、そんなこんなで一喜一憂しないようにしましょう。

2.育った環境
その人の育った環境も、ホラリーやネイタルには表示されないものの、人間関係を考える上で重要な要素です。
どのような両親に、祖父母に、兄弟姉妹に、友人に、先生に囲まれて育ったのか。それがその人の人間づきあいの様式を決定づけます。
もしその人が穏やかな人間関係を築くように育っている場合、どのようなネイタルの表示が出ていようとも、その人は穏やかな人間関係に囲まれて生きていくことになるでしょう。同様に、ぎすぎすした人間関係で育った人はそのような人間関係を作りやすくなります。
育った環境は常識と同じくらい重要です。

3.ネイタル
ネイタルには、その人の性格や運勢が表示されます。
どんな育ち方をしたにしろ根本的な性格はやはりあるものです。
つきあった相手と喧嘩しやすい性格、しにくい性格などが出ているので、これは彼との関係を考える上で大切になるでしょう。
運勢も重要になることがあるでしょう。
二人の関係が変化する時期が表示されていれば、どのような変化になるかを参考にしていきます。

4.二人のネイタルを比較する方法
二人のネイタルを比較することで、二人の相性を判断します。具体的には、二人の太陽星座と月星座を比較します。
ネイタルの比較方法は多くの人が色々な方法を紹介しているので、どのような方法を使うのかはあなたが選べばよいと思います。
ただ朝比奈は、長年に渡り観察を続けてきた結果として、太陽と月以外の天体を使う意味を見いだすことはできませんでした。これはアセンダントやノード、パート・オブ・フォーチュンなども同様です。その人の性格や行動について、さらに相性に対して、はっきりと認識できる影響を持つ天体は太陽と月だけではないかと、今は考えています。
具体的な方法はここでは解説しませんが、興味のある方は朝比奈通信をご覧ください。

◆ 現実的には
1~4までの方法を説明しました。
この中で、現実的に使用可能な方法は実際には限られています。常識は使えるはずですが、育った環境はわからないことが多いでしょう。その人の育った環境は、歳をとれば見た目にも現れてきますが、若いうちはわかりづらいし、それに見た目だけで育ちを判断することは禁物です。基本的には長くき合っていかないとわからない部分です。
ネイタルは、アスカーについてはわかることが多いでしょう。アスカーが生年月日、生まれた時間、生まれた場所を知っていれば、ネイタルを読むことは可能です。ただ、相手については生年月日だけしかわからない、という場合がほとんどだと思います。
そこで結局のところ、育った環境をできる限り考慮しつつ、常識と、アスカーのネイタルと、それから二人の太陽星座、月星座を比較しながら相性を判断していくことになります。
最初のうちはわかりやすいので太陽星座と月星座を比較する方法にばかり目がいってしまうと思います。しかしそのうちに、常識、育った環境、ネイタルの重要性がわかるようになってくるでしょう。

レセプションの種類:JF式、CL式、朝比奈式

レセプションの調べ方は3種類あります。
クラシック占星術の伝統的なレセプションの解釈方法は2つ知られていて、CL式、JF式に分かれます。
どちらも天体のいるサインを用いるものですが解釈が異なります。
最も使われているレセプションはCL式で、クラシック占星術を実占する人のおよそ8割の人がこの方法を、約2割の人がJF式を用いているようです。
朝比奈は現在CL式もJF式も使わずに、三番目の方法、朝比奈式を用いています。
朝比奈式は朝比奈オリジナルなので、使っている人どころか知っている人さえもひじょうに少ない方法です。

初めてクラシック占星術を学ぶ方はどれを使えばいいのか混乱してしまうと思いますが、朝比奈としては朝比奈式を使ってもらいたいと考えています。
何しろ解説するくらいですからね!
ただそうは言っても、朝比奈式しか知らないとクラシック占星術の勉強を続けていった時、そこで解説されているレセプションの内容と違いすぎて混乱すると思います。
そこでCL式もJF式も解説しておくので、興味のある方はこちらの方法も併せて勉強してみてください。
ただし、朝比奈式は一部JF式と同じ判断方法を用いるので、JF式を一通り勉強してから朝比奈式の説明を読むようにしてください。
朝比奈はJF式から勉強して、その後CL式を知り、最後に朝比奈式に辿り着きました。そこで、この順番で解説していきたいと思います。