2.天体

2020/5/16 更新

サインと支配星の関係(CL式)

ホラリーでは占いの中で土星、木星、火星、太陽、金星、水星、月を主に使います。
これら7天体のうちから一つ、または複数の天体を主役の天体として選び、占いを進めていきます。
例えば、金星がアスカーを表したり、土星が片想いの彼を表したりします。
それでは、どのように天体とアスカー/アスクトを結びつけているのかというと、「サインと支配星のルール」を使用しています。
これは12サイン全てに決められているサインと天体の結びつきの決まりのことで、例えばおひつじ座には火星、おうし座には金星が割り当てられています。

【サインと支配星(CL式)】
・水瓶座 山羊座 : 土星
・魚座 射手座    : 木星
・牡羊座 蠍座    : 火星
・牡牛座 天秤座 : 金星
・双子座 乙女座 : 水星
・獅子座               : 太陽
・蟹座                   : 月

サインと支配星のルール

サインと支配星の関係(朝比奈式)

クラシック占星術ではサインと支配星のルールは上記のものが使われているのですが、占星術の研究を続けるうちに朝比奈は、この伝統的なルールに違和感を覚えるようになりました。
そしていつしか、このルールは他にも存在しているのではないかと考えるようになりました。
それから研究を重ねて辿り着いたのが、ここで紹介する朝比奈式・支配星のルールです。
これは、おひつじ座とやぎ座が木星、おうし座といて座が火星…というように、CL式とは支配星の関係が異なります。
占星術のスタンダードからは外れますが、このサイトでは朝比奈式の支配星のルールを用いて解説を進める予定です。
伝統的な支配星に慣れている方は混乱しないように気をつけてください。

【サインと支配星(朝比奈式)】
・水瓶座 魚座 : 土星
・牡羊座 山羊座    : 木星
・牡牛座 射手座    : 火星
・双子座 蠍座 : 金星
・蟹座 天秤座 : 水星
・乙女座               : 太陽
・獅子座                   : 月

CL式と朝比奈式の支配星の違いまとめ

この表をご覧いただくとわかる通り、CL式と朝比奈式では支配星が一つずつずれています。
これなら覚えやすいのではないでしょうか。

天王星、海王星、冥王星について

モダン占星術を勉強してきた方は、ここに天王星、海王星、冥王星の3天体が入っていないことに気がつくでしょう。
モダン占星術では天王星が水瓶座、海王星が魚座、冥王星が蠍座の支配星に割り当てられています。
しかし、クラシック占星術ではこれらの天体を支配星として使うことはありません。
古代、肉眼で確認できないこれら3天体は、使いようがなかったのです。
この3天体は望遠鏡が発明されてから次々に見つかった天体で、占星術に組み込まれたのはそのずっと後になります。

クラシック占星術でこの3天体が支配星として使われない理由は、古代使われていなかったということもあるだろうし、実践してみて使わないことにしたということもあるでしょう。
ただ、クラシック占星術でもその先では意見が分かれていて、恒星としては用いるというグループと、恒星としても扱わないというグループに分かれます。
CL式を使う人たちの多くは3天体を恒星として扱っていて、3天体を全く使わない人たちは少数です。
JF式でも、これら3天体は重要な恒星として位置付けています。

一方、朝比奈はこれらの天体を使うのは基本的におかしいと考えています。
占星術の成り立ちを考えると、使う理由が見当たらないからです。
夜空を見上げて、天王星、海王星、冥王星をすぐに探せる人が一体どれほどいるでしょうか。
星の観察にハマっている人が、なんとか天王星を見つけられるかも、といった程度でしょう。
占星術は望遠鏡のない時代、人が肉眼を使うことを前提に創られています。
だから、肉眼で見つけられないこれらの天体を使う理由はないのです。
ところが、どうも占星術を創られた方たちは、何というか時代に合わせる柔軟性をお持ちのようで、現代においてこの3天体には恒星としての役割が存在しているようです。
せっかく使えるようにしてあげてるんだから頭の固いこと言ってないで使いなよ、といったところでしょうか。
結局、朝比奈もこれら3天体を恒星の仲間として扱っています。恒星の章で説明します。

天体の持つ3つの意味

ホロスコープに出てくる天体は3つの意味を持つ可能性があります。
ハウス・ルーラー、ナチュラル・ルーラー、それに文脈ルーラーとしての意味です。
天体はこの3つの意味のうち、1つだけの意味を持つこともあれば、複数の意味を持つこともあります。
占う時には、天体がこれらのうちどの意味を持って登場しているのか考えることになります。

1.ハウス・ルーラー

ホロスコープは12ハウスに分割されていました。そして、各ハウスにはそれぞれ意味がありました。
第1ハウスはアスカー、第2ハウスはアスカーの所有物、第3ハウスはアスカーの兄弟姉妹…など。
この時、第1ハウスはアスカーを表しますが、同時にハウス・カスプのサインの支配星も、アスカーを表します。
この「ハウス・カスプのサインの支配星」が、ハウス・ルーラーと呼ばれます。
例えば、第1ハウス・カスプがおうし座なら、おうし座の支配星の火星がハウス・ルーラーとなり、アスカーを表すことになります。
占う時、ハウス・ルーラーは基本的に必ず使います。

ハウス・ルーラーは、そのホロスコープに固有のものです。
例えば、あるホロスコープの第2ハウス・カスプがふたご座なら、そのホロスコープの中では、ふたご座の支配星の金星が第2ハウスのハウス・ルーラーになります。
またあるホロスコープの中で第2カスプのサインがしし座ならば、そのホロスコープの中では、しし座の支配星の月が第2ハウスのルーラーになります。
あるホロスコープで第2ハウスのハウス・ルーラーになった金星が、別のホロスコープでも第2ハウスのハウス・ルーラーになるわけではありません。
天体がどのハウスのハウス・ルーラーになるかは、ホロスコープによって変わります。

ハウス・ルーラーには、呼び方を簡略化した「ロードX」という呼び方があります。
例えば、第1ハウスのハウス・ルーラーは「ロード1」、第2ハウスのハウス・ルーラーは「ロード2」と呼ばれます。
よく使うので覚えておきましょう。

ハウス・ルーラーは、ハウス・カスプの支配星だけがなるわけではありません。
そのハウスの中にいる天体がハウス・ルーラーになることもあります。
詳細はハウス・ルーラーの例外で説明します。

2.ナチュラル・ルーラー

天体はその天体に固有の意味を持っています。
例えば、木星は「お金」という固有の意味を持っているので、「木星はお金のナチュラル・ルーラー」などと表現されます。
ナチュラル・ルーラーはその天体の特徴であり、どんなホロスコープの中でも、そのような意味を表している可能性があります。
ただ、ナチュラル・ルーラーはいつも使われるわけではなく、その意味が当てはまったり当てはまらなかったりします。
ナチュラル・ルーラーの項目で説明します。

3.文脈ルーラー

文脈ルーラーについては、もう少し後で学ぶ方が理解しやすいと思います。
このまま勉強を進めて、文脈ルーラーのページを参照してください。

朝比奈式の支配星の由来

Q:「支配星を変えるなんて、正気なんですか…??」

当然気になるところですよね。
支配星を変えるなんてありえないというかなんというか。
でも朝比奈は正気です。
朝比奈が支配星の配列に疑問を持つようになったのは、ネイタルでディレクションを使い始めてしばらくしてからのことでした。
ある人の体験した出来事とディレクションの表示を比較すると、どうしても出来事と支配星の対応がおかしいのです。
例えば、結婚はロード7やロード6によって表される出来事ですが、これが何故かロード1(アスカー)のディレクションで表示されていたり、赤ちゃんが生まれたのにロード5が出てこなかったり、弟や妹が生まれたというのにロード3が出てこなかったり。
こういう時、出来事がハウス・ルーラーではなく文脈ルーラーで表示されているという可能性もあったのですが、10%(文脈ルーラーが登場する確率)なんて確率ではなく、ほとんどいつもというくらいに感じられて、ずっと悩んでいました。
それならロードXを考える意味はあるの?
もういっそ全部文脈ルーラーかナチュラル・ルーラーで考えるってこと??
そしたらナチュラル・ルーラーがいくらでも増えちゃって、それって結局何にもわかりませんってことになるんじゃないの?

こういう悩みを抱えながら朝比奈は研究を続けました。そして遂にやっと辿り着いたのです!
配列が異なる支配星の表!!
この喜び少しでも伝わるといいのですが…。
でも、こんなこときっと誰にもまともに取り合ってもらえないんじゃないかとも考えました。
何か根拠のようなものはないのでしょうか?
そしたら少しだけありました。
天体の記号は元々、サインの記号から作られたものだったのです。
それによると、以下のような対応になります。

【サインの記号と天体の記号の対応表】
・水瓶座 → 土星
・山羊座 → 木星
・射手座 → 火星
・乙女座 → 太陽
・双子座 → 金星
・天秤座 → 水星
・獅子座 → 月

まず特筆すべきは射手座と火星の対応でしょう。
おおっ!
ほんとだ。射手座のマークはどう見ても火星だ。
そして木星の記号ですが、牡羊座でも射手座でもなく山羊座から来ていたんですね。たしかにこちらがぴったりです。
太陽や月は、獅子座と蟹座で慣れっこになっているので、乙女座から太陽、獅子座から月と言われてもいまいちピンと来ないですね。
月の形だけが若干、獅子座に似ているといったところでしょうか。
水星も双子座の記号とよく対応していると思いますが、天秤座マークの上の部分が水星マークの頭の羽のちょんちょんになっていたということでしょう。
金星も、どう見ても牡牛座のマークがよく似合っていると思います。
このように、納得できる部分もあればそうかなーという部分もありますが、一応このようにして天体の記号は生まれたようです。

大事なことを伝え忘れていました。
そもそもこの配列はどこからやってきたのかということですね。
実はこの配列、どこからも何も、これこそが占星術の支配星の配列なのです。
朝比奈が勝手に作ったということではなく、占星術には後にも先にもこの配列しか存在していないということで、だから本当は朝比奈式と呼ぶのはおかしいのです。
でも、そういう事実を示す文献はもう何も残っていないようです。
これは口伝でひっそりと伝えられ続けてきた配列なのです。
そして、朝比奈にこれを教えてくれた方が朝比奈式ということにしておきなよとおっしゃっていたので、このように朝比奈式として紹介している次第です。
ぜひともホラリーで、ディレクションで試してみてください。ネイタルのホロスコープだって生まれ変わります。
百聞は一見に如かず。