2013/7/30 更新
ディグニティー・レセプション・アスペクトの関係
このことをいったいどこで説明するべきか随分迷いましたが、とりあえずはここで解説しておきます。
これから、エッセンシャル・ディグニティー、アクシデンタル・ディグニティー、レセプション、アスペクトと勉強していくわけですが、それぞれの関係をまとめておきましょう。
このページは、アスペクトまで進んでからもう一度見直してみてください。
今はまだわからなくても大丈夫です。
まず、基本の用語と意味から確認します。
【用語と意味のまとめ】
・エッセンシャル・ディグニティー:本質の良さ
・アクシデンタル・ディグニティー:調子の良さ
・レセプション:動機(好きか嫌いか)
・アスペクト:いつイベントが起こるのか
では、エッセンシャル・ディグニティー(本質の良さ)から見ていきましょう。
エッセンシャル・ディグニティー(本質の良さ)
エッセンシャル・ディグニティー(本質の良さ)は、その「人/物」の「質」を表します。
例えば、火星があるコップを表しているとしましょう。
このコップの品質は良いでしょうか?
悪いでしょうか?
この品質を判断するために、エッセンシャル・ディグニティー(本質の良さ)をチェックするのです。
例えば、
良い:先週百貨店で買った3万円もする新品のコップ
悪い:20年使ってボロボロになった100円のコップ
となります。
このように「品質の良さ/悪さ」が、エッセンシャル・ディグニティーで表されます。
例:ネットでワンピースを見ている時に、
「このワンピース可愛い!買ってもいいかな?」
ワンピースを表す天体のエッセンシャル・ディグニティー(本質の良さ)をチェックします。
エッセンシャル・ディグニティー(本質の良さ)が良ければ買ってOKです。
悪ければ、後で後悔します。
さらに人の例:
「彼にはサッカーチームのキャプテンになる素質がある?」
彼を表す天体のエッセンシャル・ディグニティーが良ければ、素質あり。
エッセンシャル・ディグニティーが悪ければ、素質なしです。
アクシデンタル・ディグニティー(調子の良さ)
アクシデンタル・ディグニティーは、その「人/物」の調子の良さを表します。
例えば、先ほどのコップで考えてみましょう。
コップの調子の良さとはおかしなものですが、例えばこんなことです。
良い:洗ったばかりで、すぐに使えるピカピカの状態
悪い:公園の砂場に落として汚れてしまった、すぐには使えない状態
このように、コップの品質には関らず、「使える状態、使えない状態」というものが存在します。
この状態を、アクシデンタル・ディグニティー(accidental dignigy:調子の良さ)が表すのです。
どんなに品質が良いコップでも、泥まみれでは使えませんよね?
やっぱり洗っておかないと使えません!
「調子の良さ」とは苦しい訳語ですが…。
「人」に合わせて訳してみたので、ご勘弁を(^_^;)
「物」なら、「使えるかどうかの状態」を表します。
人の例:
あなたが野球チームの監督だったとしましょう。
ある日、こんなことに悩んでいました。
「明日の試合、A君とB君どちらを使おう?」
まず、A君のエッセンシャル・ディグニティーとB君のエッセンシャル・ディグニティーをチェックします。
すると…
同じくらい良かった!。
すなわち、A君もB君も同じくらいの素質のプレーヤーということです。
こりゃ困りました。
このままでは選べませんね?
では、A君でもB君でもどちらを使っても同じことなのでしょうか?
いえいえ、そうはいきません。
彼らにも怪我や体調などのコンディションというものがあります。
例えば、A君は昨日からインフルエンザにかかっています。
(アクシデンタル・ディグニティーが悪い)
逆にB君は、昨日から調子が良さそうで、チームで一番走り回っています。
(アクシデンタル・ディグニティーが良い)
あなたが監督なら、どちらの選手を試合に使いますか?
そりゃー元気なB君に決まってますよね?
これが「アクシデンタル・ディグニティー:調子の良さ」です。
その人の調子の良さ・コンディション等がわかるということです。
エッセンシャル+アクシデンタル=ディグニティー(良さ)
さて、エッセンシャル・ディグニティーとアクシデンタル・ディグニティーは「ディグニティー:良さ」としてまとめられます。
実際には2つともちゃんと考えるのですが、必ず2つともチェックするので、ディグニティー(良さ)としてまとめているのです。
つまり、単純に「ディグニティー(良さ)」と言っている時は、
エッセンシャル・ディグニティーとアクシデンタル・ディグニティーの2つのことを指しています。
コップを例に考えてみましょう。
まず、エッセンシャル・ディグニティー(本質の良さ)で「品質」をチェックします。
次に、アクシデンタル・ディグニティー(調子の良さ)で、「調子の良さ」をチェックします。
これで、このコップの品質と、現在使える状態かどうかがわかったわけですね。
ワンピースの場合:
エッセンシャル・ディグニティー(本質の良さ)で品質をチェックします。
良い:肌触りも良くて、1年は使えるとても良い品質
悪い:肌触りが悪くて、3回着たらヨレヨレになってしまう悪い品質
次に、アクシデンタル・ディグニティーをチェックします。
良い:翌日配送!すぐ届きます!
悪い:只今品切れ中。来月末まではお届けできません。
A君とB君の場合:
エッセンシャル・ディグニティー(本質の良さ)をチェックしたら同じだった。
どっちも同じくらいの戦力の選手。
アクシデンタル・ディグニティー(調子の良さ)をチェックしたらA君は悪くて、B君は良かった。
よし、B君を使おう!
どうでしょうか?
詳しくわからなくてもよいので、イメージだけは掴んでもらいたいのですが。。。
まぁわからなくても、後の方でそれぞれ詳しく勉強していくので、気にしないでください!
それでは、次にレセプションです。
レセプション:動機(好き/嫌い)
reception:接待、歓迎、反応、受け取ること
動機と訳していますが、接待(気持ち)を受け取るという感じかな?
その人(やモノ)の気持ち、態度のことです。
人が何か行動を起こす時、そこには必ず「動機」があります。
動機を持たずに行動することはありません。
「お腹が減った」からご飯を食べる
「眠くなった」から眠る
「トイレでおしっこをしたい」からトイレへ行く
「彼のことが好き」だからメールしてみる
「先輩のことが大嫌い」だから話さない
「友達が好き」だから一緒に海へ行く
僕たちの行動の裏には必ず動機が潜んでいます。
この動機が、「レセプション:動機(好きか嫌いか)」によって示されるのです。
平たく言うと、好きか嫌いかがわかるということです。
当然、好きか嫌いかが問題にならないケースももちろんあります。
例えば、
「CDはどこ?」
という質問に、好きも嫌いもありませんよね??
逆に、好き嫌いが超重要になるケースもあります。
例えば、「彼とつきあえますか?」という種類の質問です。
さて、それではちょっと重要になる方の例を詳しく考えてみましょう。
例:「彼とつきあえますか?」
彼を表すロード7がアスカーに対して「好き」なのか「嫌い」なのかをチェックします。
アスカーのことを好き:つきあえる可能性は高い
アスカーのことを嫌い:つきあえる可能性は低い
例:「仕事は決まりますか?」
仕事がアスカーのことを好き:決まる可能性が高い
仕事がアスカーのことを嫌い:決まる可能性が低い
アスカーが仕事を好き:仕事を始められたら、楽しい(アスカーの気持ちは、仕事が決まるかどうかとは関係がありません)
アスカーが仕事を嫌い:仕事を始めたら、後悔します(だから、決まるかもしれないですが、やめた方が良いです)
例:「彼はお金持ち?彼のお金を私は自由に使えますか?」
彼(第7ハウス)のお金(2番目)は第8ハウスです。
彼のお金(ロード8)のレセプション(動機:好き/嫌い)をチェックします。
「お金に動機があるの?」
ごもっとも。
そうです。
クラシック占星術の世界では、この好き、嫌いという概念は、人だけに限定されません。
物にも適用される概念なのです。
というわけで、
ロード8がアスカーのことを好きか嫌いかをチェックすることになります。
ロード8がアスカーのことを好き:自由に使える可能性が高い
ロード8がアスカーのことを嫌い:自由に使えない可能性が高い
と判断します。
このように、レセプション(動機:好き/嫌い)をチェックすることで、その「人/物」の動機を把握することができるのです。
そして最後に、タイミングです。
アスペクト(お互いに見ている):いつイベントは起こるのか?
aspect:「見る」という意味のラテン語(aspectus)です。
2つ天体同士が、ある決められた角度を形成する時、
「この2つの天体はアスペクト(お互いに見ている)している」
または、
「アスペクトを形成している」と言います。
ホラリー占星術では、あるイベントのタイミングをかなり正確に占うことができます。
このタイミングが、アスペクト(イベントの発生)によって示されます。
天体の動きを追っかけていくわけです。
「ちゃんとアスペクトするかな~」
この、アスペクトが作られたタイミングで、イベントが起こるのです。
「いつ、仕事は決まりますか?」
「いつ、結婚できますか?」
「いつ彼から連絡が来ますか?」
「いつ契約は決まりますか?」
1.これからアスペクトする:イベントが発生する
2.アスペクトしない:イベントは発生しない
3.既にアスペクトしている:既にイベントは発生している or 予定通りに必ず起こる
「彼といつ、つきあえますか?」
これからアスペクトする:イベントが発生する → ○○日後につきあえます
アスペクトしない:イベントは発生しない → つきあえない
既にアスペクトしている:
1.既にイベントは発生している → もうスタートしている
※「もうスタートしているのではありませんか?」「ええ、実は1週間前に…」
というやり取りは、意外と多いです。
2.予定通りに必ず起こる → もうつきあうという話でまとまっている
アスペクトが既に形成されている時、もう一つ、「予定通りに物事が起こる」という可能性もあります。
例えば今回のケースでは、
「実は、1週間後に北海道旅行から帰ってきてから、つきあおうって約束になっているんですけど…」
という感じです。
アスペクト(イベントの発生)が問題になる時、ならない時
また、イベントが問題にならない質問もあります。
「彼の気持ちが知りたいんです」
「友達と彼氏の今の関係を知りたい」
「不動産を買うべきかどうかを知りたい」
このような質問では、アスペクトするかどうかはチェックしません。
イベントについての質問ではないためです。
ディグニティー、レセプション、アスペクトのまとめ
【クラシック占星術の最重要・確認事項】
1.ディグニティー:本質の良さ+調子の良さ
2.レセプション:動機
3.アスペクト:いつイベントが発生するか
クラシック占星術では、基本的に必ずこの3つの項目をチェックします。
アスペクトは必要がある時とない時がありますが、基本的にはこの3つのチェックが基本の中の基本です。
他の要素(ハウス、天体、サイン、恒星、アンティシア、アラビアン・パートなど)も、もちろん重要です。
しかし、他の要素を1つ2つ考察し忘れるのとは訳が違います。
(いや、本当は全部ちゃんと見てください!)
この項目の1つでも外して判断してしまったら、あなたの占いはしょっちゅう間違えることになってしまいます。