良いエッセンシャル・ディグニティ

2014/1/28 更新

エッセンシャル・ディグニティ

エッセンシャル・ディグニティ

マイ・サイン(自分が支配するサイン:最高の状態)

My(マイ):自分の
sign(サイン):サイン

まず、上の図の支配星の列を見てください。
例えば、♈おひつじ座には♂火星がいますね。
♉おうし座には♀金星がいます。
♊ふたご座には☿水星…まとめましょう。

【サインと支配星】
♈おひつじ座:♂火星
♉おうし座 :♀金星
♊ふたご座 :☿水星
♋かに座  :月
♌しし座  :☉太陽
♍おとめ座 :☿水星
♎てんびん座:♀金星
♏さそり座 :♂火星
♐いて座  :♃木星
♑やぎ座  :♄土星
♒みずがめ座:♄土星
♓うお座  :♃木星

このように、12のサインにはそれぞれ”支配星”が定められています。
支配星というのは、♄土星、♃木星、♂火星、☉太陽、♀金星、☿水星、月のうちから1つ選ばれる天体で、1つのサインには1つの天体が割り当てられています。
そして、天体にとって自分が支配するサインのことを、「マイ・サイン」と呼びます。
「私が支配してる国だよここは!」という感覚です。

※クラシック占星術で出てくる本来の名前は「Own Sign(オウン・サイン:自分自身のサイン)」です。
しかし、言いにくいしわかりにくいのでこのサイトではマイ・サイン(My Sign)を使います。

天体がマイ・サイン(最高の状態)にいる時、最も強いエッセンシャル・ディグニティ(本質の良さ)を持ちます。
例えば、♂火星が♈おひつじ座にいる時、♂火星は「マイ・サイン」で、エッセンシャル・ディグニティはもっとも強くなります。
さらに、♂火星は♏さそり座の支配星でもあるので、♂火星は♏さそり座にいる時にも「マイ・サイン」となります。

マイ・サインにいる天体は、素晴らしい素質を持っていることを表します。
言い換えると、
マイ・サインにいる天体が表す「アスカー/アスクト」は、素晴らしい素質を持っているという意味です。

例を見てみましょう。
「このネックレス、買ってもOK?」
ネックレスを表す天体がマイ・サインにいれば、
「品質が最高!」ということを表します。
買ってOKです。

「彼を雇ってもいい?」
従業員(第6ハウス)を表すロード6がマイ・サインにいれば
「とても高い能力のある人!」
雇ってOKです。


イグザルテーション(Exaltaion:とても良いけど褒めすぎ・良く見すぎ)

【イグザルテーションと天体】
♈牡羊座:☉太陽
♉牡牛座:月
♊双子座:なし
♋蟹座:♃木星
♌獅子座:なし
♍乙女座:☿水星
♎天秤座:♄土星
♏蠍座 :なし
♐射手座:なし
♑山羊座:♂火星
♒水瓶座:なし
♓魚座 :♀金星

イグザルテーションはマイ・サイン(最高の状態)の次に強いエッセンシャル・ディグニティ(本質の良さ)を持ちます。
マイ・サインと同様、イグザルテーションにいる天体は素晴らしい素質を持っています。

マイ・サインとイグザルテーションの違い:良く見すぎ

しかし、マイ・サインとイグザルテーションには一つ大きな違いがあります。
それは、イグザルテーションには「褒めすぎ・良く見すぎ」という意味が含まれていることです。
実際より良く見えている状態なのです。
マイ・サインにはこのような意味は含まれていません。
見た目も良いし、中身もその通り良いのです。

例を挙げましょう。
「これは良い仕事?」
仕事(第10ハウス)を表す天体ロード10がイグザルテーションのサインにいるなら”素晴らしい仕事”です。
もちろんとても素晴らしい仕事なのですが、しかし良く見えすぎているため、アスカーは仕事を始めてから失望することになってしまいます。
マイ・サインにいれば、仕事は素晴らしいもので、後日失望することもありません。

もう一つ。
「彼女とつきあえる?」
彼女(第7ハウス)を表す天体がイグザルテーション(Exaltaion:褒めすぎ)のサインにいれば、彼女は実際以上に綺麗に見えています。
オシャレなカーディガンを羽織ったり、メイクをちょっと念入りに練習したり、、
アスカーはつきあい始めてから、
「見た目と違ったな…」
と思うことになります。
しかし、依然としてとても綺麗なことに変わりはありません。

イグザルテーションはすべてのサインにはありません

表を見るとわかる通り、すべてのサインにイグザルテーションがあるわけではありません。
例えば、♈おひつじ座や♉おうし座はイグザルテーションの天体を持ちますが、♊ふたご座はイグザルテーションの天体を持ちません。
このように、イグザルテーションのないサインがあるので、注意してください。

イグザルテーションの方がマイ・サインより良い時がある

普段、マイ・サインの方がイグザルテーションよりもエッセンシャル・ディグニティ(本質の良さ)が強く、質は良くなります。
しかし時々、イグザルテーションの方が好ましい質問があります
それは、コンテストやオーディションのように、「見かけが重要」な質問です。

例:「オーディションの結果は?」
アスカーの天体がイグザルテーションにいれば、いつもの姿(マイ・サイン)よりも良い(イグザルテーション)ので、この場合はイグザルテーションの方がマイ・サインよりも強いことになります。
素晴らしい素質を持つ人が、その日はいつも以上に輝いて見えます。

というわけで、例えば、
「オーディションで勝つのはどっち?」
・アスカーの天体がイグザルテーションにいる
・ライバルを表す天体がマイ・サインにいる
オーディションで勝つのはアスカーです。

スーパー・イグザルテーション・ディグリー(Super Exaltation Degree):超イグザルテーションな度数

【超イグザルテーションな度数と天体】
♈牡羊座 19度:☉太陽
♉牡牛座  3度:月
♊双子座:なし
♋蟹座  15度:♃木星
♌獅子座:なし
♍乙女座 15度:☿水星
♎天秤座 21度:♄土星
♏蠍座 :なし
♐射手座:なし
♑山羊座 28度:♂火星
♒水瓶座:なし
♓魚座  27度:♀金星

例えば、☉太陽は♈おひつじ座にいる時は常にイグザルテーションです。
しかし、その中でも特にめちゃくちゃ大げさに良い、スーパーな度数というものがあります
それが「スーパー・イグザルテーション・ディグリー(Super Exaltation Degree):超イグザルテーションな度数」です。
「超イグザルテーションな度数」とはネーミングセンスもへったくれもない僕の創作です…
どうか堪忍してください。
良い名前が思いつきませんでした…(*_*;
まぁ要するに、”超もてはやされる場所”があるということです。

超イグザルテーションな度数は、イグザルテーションの天体の下に数字をふってあります。
例えば☉太陽は、♈おひつじ座の19度と書いてありますね。
この19度ですが、これは序数です。
基数ではありません
つまり「19.X 度」は入らず、18.00度~18.59度までとなります。
17.59度でもダメだし、19.00度でもダメです。
♈おひつじ座の18.00~18.59度までです。
※序数、基数の意味は気にしなくてOKです。

同様に、例えば☽月は♉おうし座の3度と書いてあるので、
♉おうし座の2.00~2.59度までが超イグザルテーションな度数です。

イグザルテーションが全てのサインに無かったのと同様に、超イグザルテーションな度数もあるサインとないサインがあります。

※「1度 = 60分」です
1度は100分ではありませんので気をつけてください


トリプリシティ(Triplicity:十分満足、心地良い)

トリプリシティの見つけ方

意味はちょっと置いておいて、まずトリプリシティの列を見てください。

エッセンシャル・ディグニティ

エッセンシャル・ディグニティ

トリプリシティには、「昼」と「夜」の列がありますね?
例えば♈おひつじ座を見てみると、お昼に☉太陽、夜に♃木星と書いてあります。
この時、両方の天体がトリプリシティになるわけではなく、片方の天体がトリプリシティの天体となります。
どちらを使うかは、☉太陽の位置によって決まります。

「昼」の列の天体を使う時:☉太陽がホロスコープの上半分(第7ハウス-第12ハウス)にいる時。
☉太陽が地平線より上、つまり「お昼」です。
「夜」の列の天体を使う時:☉太陽がホロスコープの下半分(第1ハウス-第6ハウス)にいる時。
☉太陽が地平線より下、つまり「夜」です。
※トリプリシティの天体を考える場合”5度前ルール”は使いません

ただし、アセンダント(Asc:第1ハウス・カスプ)とディセンダント(Desc:第7ハウス・カスプ)付近で、ギリギリ地平線より下にいる天体はお昼として考えます。
日の出の直前と、日の入直後は、まだ空が明るいじゃないですか?
だから、ちょっとだけお昼に有利に考えるんです。
ただ、ジョン・フローリーは”ちょっと”としか言っていません。
「”決まった度数”という正確さはここにはありませんよ」と言っています。
ま、そんなわけなので、はっきりした数字は伝えられません。
一応、僕は1、2度くらいで考えています。

このトリプリシティはエレメント(elements:元素 → 火地風水)と関係が深いエッセンシャル・ディグニティです。
そのため、エレメントを頭に入れて覚えます。
エレメント:昼   夜
【火】  :☉太陽 ♃木星
【地】  :♀金星 月
【風】  :♄土星 ☿水星
【水】  :♂火星 ♂火星

トリプリシティ:十分満足できる質、心地よさ

十分満足できる質

トリプリシティは、十分に満足できる品質を表します。
マイ・サインとイグザルテーションに比べてグッと低くなりますが、悪くありません。
例:「この仕事はどう?」
仕事を表すロード10がトリプリシティにいれば、
「確かにもっと良い仕事はあるでしょう。でも、十分に満足できます。」

心地よさ

また、トリプリシティは心地良さも表します。
この”心地よさ”は先に挙げたエレメント(elements:元素:ここでは火地風水のこと)に関係があります。
天体のエレメントと、トリプリシティのサインのエレメントは同じ、もしくは似ているんですね。
例えば、【火】のエレメントのサイン(♈おひつじ座、♌しし座、♐いて座)の「お昼」は☉太陽が支配していて、「夜」は♃木星が支配しています。

この時、以下のような類似点があります。
・☉太陽は【火】ホット&ドライのエレメントを持つ天体
・♃木星は【風】ホット&モイストのエレメントを持つ天体

ちょっと変わってるのが♂火星です。
♂火星は水のサインの「昼」も「夜」も支配しています。
♂火星:【火】ホット&ドライ(Hot and Dry:暑い&乾いてる)
水のサイン:【水】コールド&モイスト(Cold and Moist:冷たい&湿ってる)
正反対のエレメントなのに、どうして♂火星が水のサインを支配しているのでしょうか?
これは、水のサインの「水」の性質に理由があります。
水のサインの水は”欲望を意味する海の水”を表しているんです。
ミネラルウオーターのように飲みやすい甘い水ではなく、
「荒々しい海の水」=「激しさ、激情」=「欲望」を表す海水なのです。

♂火星は「欲望」のナチュラル・ルーラーであり、クラシック占星術の世界では、”水”はよく”欲望”の比喩として登場します。
そこで、♂火星が水のサインを支配しているというわけなのです。
しかし、説明がつかないやつもいますよね。
♄土星は【地】コールド&ドライ(Cold and Dry:冷たい&乾いてる)の天体です。
だけど、風の【風】サイン:ホット&モイスト(Hot and Moist:暑い&湿ってる)の「お昼」の部分を支配しています。
なんでだろう…(;゚Д゚)


ターム(Term:ほんの少し良い)

さて、次の列にはターム(Term:ほんの少し良い)があります。
このターム、トリプリシティよりもさらにさらに小さな領域しか支配していません。
一つのサインを5つに分けています。
これは、支配する力がトリプリシティより大分下がったことを表します。
トリプリシティは昼と夜の2分割でしたね?
タームはなんと5分割です。

ターム(Term)の意味:
英語で言うと、「Boundary(バウンダリー):壁、境界、終点」
Term の語源:ラテン語 terminus 「限界,期限」
ターム(Term)の意味は「壁、境界、終点」です。
メインの意味は「壁、境界」ですかね。

1つのサインは、不規則な5つの塊に分けられるわけです。
イグザルテーションの度数で見てきたように、タームの下に載せてある数字も序数です。
例えば、♈おひつじ座の最初のタームは♃木星の6度となっています。
これは、♈おひつじ座の0.00~5.59度までは♃木星がタームとして支配していますよーという意味です。
次の6.00~13.59度は、♀金星がタームとして支配しています。
…と、このように全てのサインにターム(Term:境界)があります。

例えば、♈おひつじ座を見てみましょう。
最初のところには♃木星のマークがありますね。
数字は6です。
これはつまり、♃木星が♈牡羊座の0度から5.59度までにいるとき、♃木星はタームのエッセンシャル・ディグニティを持つということです。
♃木星の横には♀金星があります。
数字は14です。
つまり、♀金星が♈牡羊座の6.00度から13.59度までのどこかにいるとき、♀金星はタームのエッセンシャル・ディグニティを持つということです。
さらにその横には☿水星21度と書いてあります。
つまり、☿水星が♈牡羊座の14.00度から20.59度までの場所にいる時、☿水星はタームのエッセンシャル・ディグニティを持つということです。

また、表を見ていると気づくのですが、☉太陽と☽月はタームの支配星にはなりません。

ターム(Term:境界)の根拠は謎のまま

いっやー
ここは、こんがらがるところだと思います!
そもそもの話、なんでサインがこんな分け方をされているのでしょうか?
根拠はあるのでしょうか?
実は、根拠はわかっていません(@_@)
占星術と統計学の関係のページでも少し触れましたが、タームの根拠は謎なのです。

ネイタル占星術へ進んだとき、ターム(Term:壁、境界)は頻出(ひんしゅつ)します。
タームは「運勢の変化のタイミングの予測」で絶対に必要な道具になるのです。
(プログレスと呼ばれる運勢予測の方法です。)
しかし、ホラリーでのタームの役割は、実にマイナーなものです
主役になることはありません。
タームに天体がいれば、「ああ、ペレグリンじゃなかった、よかった、ラッキー」程度です。

タームは兵卒の一つ上の伍長さんに例えられます。
「一般兵士より、ちょびっとだけ権限があるよー
でも、ほとんど一般の兵士と変わらないよー」
という程度。
ただ、そうは言っても、エッセンシャル・ディグニティが何もない、もしくは悪い天体よりも遥かに良いです。
必要以上にがっかりしないでくださいね!

あと、いきなりタームを覚えようとしなくても大丈夫です。
ホラリーではこの表を見ながら占ってください。


フェイス(Face:悪くはないけど…)

フェイスは、サインを3つの同じ大きさの塊に分けたものです。
1つのサインが30度なので、1つの塊は10度になります。
表の数字もこれまた序数です。
というわけで、例えば、
♈おひつじ座の最初のフェイスは♂で10と書いてあります。
これは、0.00~9.59度までを表します。
次の☉太陽は10.00~19.59度まで。
最後の♀金星は20.00~29.59度までとなります。

フェイスは、まぁ分割としては3分割で、タームより強いんじゃない?と思われるかもしれませんが、タームよりさらに弱いディグニティ(Dignity:良さ)です
非常に弱いエッセンシャル・ディグニティ(本質の良さ)です。
玄関の前の、ポーチの下に立っている人に例えられます。
雨が降っていても、一応濡れません。
でも、彼は外にいます。
風が吹けば寒いですよね。
強い風が吹いたら濡れてしまうかもしれません。
しかし、何もディグニティ(Dignity:良さ)が無いよりは遥かにマシです。
吹きさらしよりは良いでしょう?(*^_^*)