クッキーを食べたのは誰?

2015/1/21 更新

ある日アスカーは机の上に、楽しみにしていたクッキーの齧られた跡を発見しました。
「半分残っている…犯人は誰!?」

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これは従姉妹に訊かれて遊びで占ったホロスコープです。
何しろ犯人の候補は旦那さんしかいない状態です。
だから、ロード7(パートナー)が出てくるに違いないと予想して占いました。
占ったというより、現状を表してるかどうか確認してみただけなのですが…さて、どういう結果になったのでしょうか?

占いの流れ

1.質問をよく聞く
・誰が、質問しているのか?
・デフォルト・オプション(起こる可能性が高いこと)を特定する
犯人を表す天体のデフォルト・オプションはロード7(アスカーの旦那さん)です。

2.ハウスを決める
・何が、質問されているのか?
クッキーはアスカーの食べ物、所有物なので、第2ハウスです。

3.ルーラーを決める
今回の占いで使用する天体を特定する
・ハウス・ルーラー
アスカーを表す天体は、ロード1の金星。
それからサブ・ルーラーとして月。

クッキーを表す天体はロード2の火星。
クッキーを齧ったのはパートナーなので、彼を表す天体はロード7の火星です。
おっと、どちらも火星ですね。
困りました。
困ったまま、次へ進みましょう。

4.エッセンシャル・ディグニティ
火星(クッキー)はマイ・サイン(最高の状態)にいるのですが、半分しか残っていません(・.・;)

5.アクシデンタル・ディグニティ
・星座のカテゴリー
・ハウスによる強弱
・天体のスピードと、進む方向(逆行、ストップ)
・コンバスト、サンバーン、太陽の正反対
・天体からのオーブ・アスペクト(サンド、またはアスペクト・サンド)
・月のノード
・恒星(レグルス・スピカ・アルゴル)
すべて無関係でしょう。

・月のボイド
このホロスコープは、月がボイドにいます。
イベントに関係しない質問なので無関係です。

・ジョイ:無関係

6.レセプション(好き嫌い、関心):無関係

7.アスペクト
クッキーと犯人の間にコンタクトがあったかどうかを探します。
クッキーを表す天体と犯人(彼)を表す天体がセパレートしているか、もしくは現在オーブ・アスペクト(相互に影響)しているでしょうか?
このどちらかを見つけることができれば、彼が犯人だと確認できたことになります。

クッキー:火星
彼:火星

同じ天体だからアスペクトしようがありませんね(;゚Д゚)
こういう時には、他の天体を使う必要があります。
「クッキー = 彼」だから、彼が犯人なんだ、という風には考えません。
クッキーを表す他の天体を探すか、彼を表す他の天体を探します。

しかし、ホロスコープをもう一度よく見てください。
火星のいる場所は、第2ハウス・カスプ付近ですよね?
第2ハウスはアスカーの所有物、この場合はクッキーを表します。
特にハウス・カスプに近い場所は、そのハウスが表す「物/事/人」をより強く表す場所です。
つまり、「彼を表す火星が、クッキーを強く表す場所(第2ハウス・カスプ)にいる様子」が表示されているのです。
ホロスコープが、天体同士のアスペクトの代わりに、天体とハウスの場所によって、相手を特定してくれているのです。
このように、ホロスコープによっては、必ずしも天体が必要になるとは限りません。
クッキーを表す要素は、第2ハウス(特に第2ハウス・カスプ)とロード2です。
ホロスコープの中でどちらかが主役として登場していれば、そちらを主役として使えば良いのです。

もう一度、ホロスコープを眺めてみましょう。
旦那さん(火星)がクッキー(第2ハウス・カスプ)に齧りついている姿そのままですね!

8.アンティシア(仮想上の天体)
盗まれたかどうかを占う時、アンティシアは重要になる可能性があります。
既に犯人は特定できてしまったのですが、続けてみましょう。

まず最初に探しておきたいのは、第2ハウス・カスプ(クッキー)に齧りついている天体は他にないかな?ということです。
土星が目に入りますが、この土星は少し遠すぎます。
やはり火星くらい見事にくっついていて欲しいところです。

では、アンティシア(仮想上の天体)はどうでしょうか?
第2ハウス・カスプに、くっついている天体はいないでしょうか?
第2ハウス・カスプはさそり座24、18度です。
ここにくっついている天体を探すのですが、全部の天体のアンティシア(仮想上の天体)を探すのは手間がかかるので、逆に考えて、第2ハウス・カスプのアンティシアを探しましょう。
そこに天体がいなければ、第2ハウス・カスプにくっついているアンティシア(仮想上の天体)の天体はいないと考えられますね?

さそり座のアンティシア・サイン(仮想上の天体がいるサイン)はみずがめ座です。
あ、この時点ですでに、みずがめ座に天体がいませんね。
つまり、第2ハウス・カスプにくっついているアンティシア(仮想上の天体)はいないということです。

一応、勉強のために度数も計算しておきましょうか。
さそり座のアンティシア・サインはみずがめ座。
次に、30から度数を引きます。
30 - 24.18 = 5.82

第2ハウス・カスプのアンティシアはみずがめ座5.82度です。
使わないけど…(@_@。

それから、このホロスコープでは「火星は旦那さんを表している」と考えたので使いませんでしたが、もし火星がクッキーを表す天体だった場合には、火星(クッキー)のアンティシア(仮想上の天体)も探します。
火星のアンティシアにくっついている天体や、アスペクトしている天体がいないかどうかを探すわけです。

このホロスコープでは、火星はさそり座24.78度にいるので、アンティシア(仮想上の天体)は、みずがめ座5.22度です。
今回はその場所に天体はいないので判断は変わりませんが、探し方のイメージは掴めましたか?(゚∀゚)

9.月が主役の天体として登場した場合は、
・月の光のチェック
・炎の道(The via combusta)
どちらも無関係ですね!

10.恒星:無関係
11.アラビアン・パート:無関係

結論:旦那さんがクッキーを齧った可能性が高い
結果:もちろん、旦那さんが齧っていました( ̄▽ ̄)

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◆プラシーダスとレジオモンタナス

実はこのホロスコープは、プラシーダスハウスの実験をしていた時のものなので、プラシーダスで作ったホロスコープなんです。
プラシーダスでもホラリーはできるんですよ、というところを見てもらいたかったのでそのまま掲載しました。
下のホロスコープが、レジオモンタナスで作ったホロスコープです。

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見てもらえるとわかる通り、一番の違いは、第2ハウス・カスプの場所です。
第2ハウス・カスプの近くに、土星と火星が表示されていますね?
これだけを見ると、クッキーをかじったのが土星なのか火星なのか判断がつきません。
どちらも怪しいですよね。
やはりプラシーダスで占った時には、プラシーダスのホロスコープの方が、わかりやすい表示が出ています。
このように、「ホロスコープの表示は、占星術師が使っているハウスシステムに合わせて調整されている」、と考えて良いようです。
ホラリーのホロスコープを見る時には、占星術師が使ったハウスシステムを必ず確認しましょう。

天体を選ぶ時の例外ルール:激ムズ

このレジオモンタナスで表示されている占い結果は、実は例外的なルールを使えばすっきりと説明できます。
これは非常に難しいルールで、しばらくホラリーを続けた人がようやくわかる、という類のものなので、今すぐに理解できる必要はありません。
時期が来て自信がついてきてから、見直してみてください。

※このルールの説明はハウス・ルーラーとはのページの、「次のサイン」の代わりのルーラー:カスプの近くにいる天体という項目で説明しています。
まずは、そちらの説明を読んでみてください。
ここでは、上記の説明が頭に入っているという前提で、解説します。

まず、このルールに従って、天体の選び方を見直してみましょう。
先程の説明では、火星は、クッキーか彼のどちらかでした。
結局「クッキー = 第2ハウス」と考えて、「火星 = 彼」という風に選んだのですが、このルールを使うと、選び方が異なります。

【カスプの近くにいる天体をルーラーとして使うための3条件】
1.そのハウス・ルーラーがすでに他の役割で使われてしまっている
2.そのハウス・カスプの2,3度以内に天体がある
3.その天体のサインとハウス・カスプのサインが同じ

ロード2(クッキー):火星
ロード7(彼):火星

ここで、火星がロード7として使われてしまっている、と考えるのです。
「困ったな、本当は火星をロード2として使いたかったのに、もうロード7として使われてしまっているぞ、他の天体を探さなくちゃ…」
これで、「1」の条件がクリアされました。

※この時、「火星がロード2として使われてしまっている」と考えないでくださいね?
そうすると、第7ハウス・カスプの近くに天体が必要になりますよ(^◇^)

次に、第2ハウス・カスプ(クッキー)の近くに、土星がいますよね?
あ…うまくいけば、この土星が、ロード2の代わりとして使えそうだ…と考えて、土星のいる度数と第2ハウス・カスプの度数をチェックします。

土星:さそり座18.38度
第2ハウス・カスプ:さそり座21.85度

21.85 - 18.38 = 3.47

3.47度です。若干遠すぎます、若干!
本当は、1、2度以内が理想的。
しかし、まぁ許容範囲かな、と、(正直ちょっと無理矢理)考えましょう。

これで「2」の条件もクリア。
「3」の条件は、どちらもさそり座なのでクリア済みです。

こうして、ロード2(クッキーを表す天体:火星)の代わりとして、土星を使えるのです。
さぁ! 2つの天体を手にしました。
後は、この2つの天体が、セパレートしているか、現在オーブ・アスペクト(相互に影響)しているかを確認するだけです。

アスペクトを考える
クッキーを表す天体:土星(さそり座18.38度)
彼を表す天体:火星(さそり座24.78度)

オーブ・アスペクト(相互に影響)の方は当てはまりません。
24.78 - 18.38 = 6.4
6.4度も離れていますからね。
これではコンジャンクションしているとは考えることはできません。
※オーブについてはアスペクトのページ参照

では、セパレートの方はどうでしょう?
2つの天体はセパレートしているでしょうか?

時間を戻していくと…

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時間を戻してみると…火星と土星はコンジャンクションしていましたね(≧▽≦)
他の天体による妨害も発生していません。
まぁ、妨害が発生していても、このアスペクトはコンジャンクションなので、妨害を乗り越えている、と考えるのが自然ですが。

さてこれで、2つの天体がセパレートしていることがわかり、旦那さんが齧ったことが確認できました!

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説明難しかったー!\(゜ロ\)(/ロ゜)/
繰返しますが、今理解できなくても全然OKです!
こんなに難しい内容をぽんぽん解説しちゃってたら、初めて勉強する人が混乱するだけじゃないのかと悩んだ挙句の解説です!